・ ページ9
💙side
車内に響き渡ったアラーム音に顔を上げると、
普段なら規則正しく波打っているはずの心電図が、平坦な線を描いていた。
「涼太！」
救「VF！ショック２００でチャージ！」
絶対に聞きたくないと思っていた言葉が、救急隊員の口から次々放たれる。
ガッ、ガッ、ガッ、ガッ
目の前で心マされる涼太の姿は、いつになく痛々しかった。
救「チャージできました！」
救「離れて！」
涼太の体が電気ショックによって跳ね上がる。
救「戻りません!!もう一度チャージします!」
救急隊員のその言葉を聞いた瞬間、
俺の体は勝手に動いて、涼太の胸を押し込んでいた。
救「渡辺さん！」
救急隊員が何か言ったが、俺の耳には入らなかった。
「涼太!ふざけんな！逝くんじゃねぇ!!戻ってこい!!!」
気づいたら俺は叫んでた。
救「チャージできました！離れて!」
その言葉で俺は無理やり涼太から引きはがされる。
ガンッ
音とともに涼太の体が再び跳ねる。
救「っ、戻りました!」
その言葉で俺は崩れ落ちる。
「っ、よかった……」
救「お分かりかとは思いますが、まだまだ予断を許さない状況です」
救急隊員の言うことは最もだった。
今戻ったとしても、病院につくまでの間にまた心停止しないとも限らない。
病院でまた心停止を起こすかもしれない。
そんなことはとうのとっくにわかりきっていた。
自分の担当した子どもたちが何人も、そうやってお空に昇って行ったのだから。
それでも、俺は安心した。
今ここに涼太が生きていることが、俺はうれしかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 146人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
八雲(プロフ) - ひーさん» 返信遅れてしまってごめんなさい！リクエストありがとうございます！！しっかりと書かせていただきます。お気長にお待ちください。 (4月3日 23時) (
レス) id: 86624783f4 (このIDを非表示/違反報告)
ひー - リクエスト失礼します！ふっかのてんかんが結構悪化してしまったのをなべさく中心の看病をお願いしたいです！ (3月29日 17時) (レス) id: e1a90e3b84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：八雲 | 作成日時：2024年3月15日 23時
