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少し騒がしい職員室
ヒーロー科の先生方が
楽しそうに談笑している
その中に1人
いつも私が見つめる人がいる
彼の見た目はヒーローには
全くと言っていいほど見えない
ヒーローと言ったら、
小綺麗で、人々を照らす光である
そんなイメージがあるのだけれど
彼は、髭を剃らないし
メディア露出もしない、
現代ヒーローとは思えないような
ヒーローだ
それでも陰ながら人を救う
立派なヒーローであることに
変わりは無いのだ
私は勘違いをしていた
先輩である彼、相澤消太ことイレイザーヘッドは
同類なのだと
私と同じように
二度と叶うことの無い願いを持って
いるのだと、
そして、歪められたのだと
でも彼は違った
乗り越えていたのだ
絶望から
克服した、とは違うのかもしれない
だけれども
自分の意思で、しっかりと
道を歩んでいる
願いなど叶わなくとも
彼は生きていくことができる
私は勝手に彼を同類と認識していたが
それは間違いだったのだ
私はまた1人になったような気がした
いや、1人になったのだ
彼のように談笑する友達と言える
人はいない
人と話すことがない訳では無い
だけれども、友達はいない
友達が欲しくない訳では無い
だけど、
私には友達と言える人がいない
私は何故生きているのか分からない
あの時私も一緒に逝けばよかった
そう毎日考えては
ヒーロー科の先生方、
いや、違うな
相澤先生を見つめる
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作者名：南月 | 作成日時：2021年9月17日 6時
