【相澤消太】救い出して！ヒーロー！ (ページ15)

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相澤さんの手が私の背中を
指先でゆっくりとなぞった

その感覚にゾクゾクと体が粟立ち、吐息が漏れる

相澤さんが耳元でクスリと笑う、
その吐息がとても色っぽくて体温が
じわじわと上昇する

「…相澤消太、俺の名前…知ってるだろ？
呼んでくれよ、なぁ…」

『っ、相澤、さん、、』

耳元で囁かれ立っていられなくなり
ズルズルとなだれ込むように2人で座り込む

『あ、相澤さ、』

「…すぅ………」

『え？』

え？

……え、寝た？
この状況で？
え？ここまで来て？

相澤さんは
私にもたれかかったまま寝てしまったようだ

私はてっきりこのまま…
いや、何を考えているんだ私は、
駄目だろう、そんな、そんなこと。

だって、私は＿＿＿＿＿＿＿＿＿

…それより早く相澤さんをベッドに
寝かせてあげよう。

そう思い相澤さんの重い体を何とか持ち上げようと
頑張ってみたが、上半身しか持ち上がらない。

ズルズルと引きずりながら、何とかベッドに
寝かせる

息が上がって苦しい、

運動とかしたほうがいいのかもしれない、
そんなことを思いながらクローゼットの奥にある
ブランケットを取り出し、リビングのソファに
寝転んだ。

少し前までここに相澤さんが座っていたんだよな、
そう思うと、

自分でもよく分からない気持ちになった。
これはなんという感情なのだろう。

愛？恋？

……違うな。

私はただ、求められたことが嬉しかっただけ

それに、私にそんな綺麗な感情は似合わない

相澤さんを寝かせた時、見てしまった
幸せそうな、そんな顔

私と居て、そんな顔をしてくれるのが嬉しかった
けど、私は答えられない。
無責任なこと、できない。

そう思ったらじんわりと目頭が熱くなった
目を閉じるとスーッと一筋の涙が
伝ってブランケットに染みた。

そのまま私は深い眠りに落ちていった