：57 ページ12
ノーマンside
「何が『わからない』『助けに行こう』だ
あそこは『死んだ』って言っとけよ…！」
レイはそう言うだろうな、と思っていた
何だかんだ言って彼は優しいから。
「いや、円滑に引き入れるにはあれがベストだった」
けどそれじゃダメなんだ
あの二人を完全に信用することも、君を問い詰めることも出来なくなる。
「そりゃただ鬼の世界に飛び出そうってのも『うん行こう』とはならないけれども…！」
レイが焦ったように言う
「もしあいつらがスパイじゃなかったら…この嘘は残酷すぎる……
ありもしない希望を与えるなよ…！」
レイの声が静かな図書室に響く。
「もし『死んだ』って言ったらママの前で取り乱すかもしれない、動揺が隠せないかもしれない。私はそれを考えて言わない方が良いと思ったの。」
エマがそう答える
でも納得はしないだろうね
「っ…だとしても……！」
レイはまだ引き下がらない
どうしようか、そう思っていた時
「……エマ。」
レイを遮ってAは突然声を上げた。
「エマ、それは"覚悟"じゃない
"逃げ"だ。」
「っ…」
見たことも無いような真剣な目をしたAに息を呑むエマ。
「…エマは言ったね、『恨まれても構わない』って。
じゃあ本気で恨まれたらどうするの？
真実を知って本当に『助けて』なんて言われて、"嘘つき"を信じると思う？」
エマはAの初めて見せる気迫にたじろいでいる。
「それでも"信じるしかない"んだよ
だって僕らの方が確実な情報を知ってるから
あの二人が死なないためには僕らを信じて協力するしかない。」
エマに代わって僕が答える
そう、たとえ真実を話したとしても彼らは＿
「何を持って"絶対"だと言えるのさ？」
え？
「
感情がそのまま行動に走ることだってあるんだ
「………」
僕の目を見て彼は話す
僕の目的まで見抜いて…
「…………残酷な希望を抱かせるくらいなら、話さない方が良かったんじゃないか？」
「…え？何、言って……」
冷え冷えとした瞳
普段よりトーンが落ちた声
「…そんな絶望を味合わせるくらいなら、最期まで幸せに
楽しく過ごさせた方が良かったんじゃないかってこと。」
Aの言葉が僕らを貫いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2938人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
く ぅ は く 。@別垢 - つ、つづきはっっ…？？？？？！恵んでください続きをおおおおおお！！！！(失礼) (2月8日 15時) (
レス) @page38 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - うあぁぁぁぁぁぁぁぁ…好きです…！続き待ってます…！！！ (1月16日 18時) (レス) @page38 id: efeff932b9 (このIDを非表示/違反報告)
めい - え？！もっと見たいよ〜！！続き出来れば早く書いて欲しい。。。。(早く読みたいだけ) (1月6日 21時) (レス) @page38 id: 16df366cc3 (このIDを非表示/違反報告)
- 速く続きが見たいです! (9月14日 15時) (レス) @page38 id: fdeee94a5f (このIDを非表示/違反報告)
マコ(プロフ) - 初見です！この作品ほんと面白くて好きです、一晩で全部読んでしまった、、、この先の展開が気になりすぎます、！更新してくださると嬉しいです、、！ (7月22日 2時) (レス) id: a670e33e5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るし | 作成日時：2019年3月1日 21時
