【H×H】みんなのいろんな姿がもっと見てみたい！！【短編集】 (ページ18)

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『覚えているんだな。』

『厳密には思い出した。』

何処か心地のいい時間がゆったりと流れる。
その間、互いに会話は無くて、外から聞こえる運動部の掛け声と吹奏楽部の音楽が微かに聞こえている。

『また、居なくなるのか。』

『さぁね…。居て欲しいなら、手が届かなくなる前に捕まえておいたらいいんじゃない？』

まぁ、そんなことしてもクロロ先生の肩身が狭くなるけど。と付け足して私は鞄を肩にかけて席を立った。

***

終業式が終わり、学生にとっては楽しい夏休みが始まる。
今日は、部室ではなく屋上に立てられたフェンスの向こうに立ち、風に当たっていた。

『何をしてる…ｯ』

息を切らしたクロロ先生は口調を隠すことも無く、私へと詰め寄って来た。
隻手には部室に置いてきた手紙と浜木綿が握り締められている。

『何って、星になろうかなって。』

『ｯいいからこっちに戻って来い。』

『それは頼み？それともお願い？』

『どっちだって構わないだろう。』

『…私言ったよね。
手が届かなくなる前に捕まえておいたらいいんじゃない？って。
また、選択を誤ったね。』

『わかっている、だから…っ』

その言葉の続きは知っている。
だから、私は空へと体を投げ出した。
最後の言葉は遺してあるから、どうかまた来世で。

～～～～

星になる

遠行

は2つとも死意味しています。

クロロが握り締めた手紙の内容は出ていませんが、それはまたラストのクロロ目線のみのお話を書きますので、そちらで確認していただければなと思います。

それと、手紙と共に握り締めた花は、浜木綿(ハマユウ)と読みます。
小説あるあるの、花言葉を意味するために出しました。

花言葉は『どこか遠くへ』です。

私は花言葉だけでは無く花なんかは一切分からないので、使う時はその都度調べてます。

ラスト、主人公は皆様おわかりの通りジ/さつしました。
元々、そうゆう内容で考えていたので、苦手な方がいらっしゃいましたらごめんなさい。

冒頭に注意を書こうと思ったんですが、それだとお話の内容がバレてしまうので明確には書きませんでした。

本当にごめんなさい。