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新学期を彩るように咲いていた桃色の桜はいつの間にか青々とした葉っぱに変わっていて、毎日煩く蝉が鳴く季節へと移り変わっていた。
だが、変わっていたのは季節だけではなく、私自身も変化があった。
クロロ先生に対する既視感は前世の記憶だと気づいたからだ。
前世では、私とクロロ先生は所謂恋人関係であったのが信じられないけど、今の私とは別人だから割り切っている。
クロロ先生は前世を覚えているのだろうか。
そんな疑問がふと頭を過ぎった。
もし、前世もそうだが今世も私に好意を向けていたとしたらなんて面白いのだろうか。
そうであってほしいと願う反面、そうであって欲しくないと思う気持ちにため息をついた。
***
『クロロ先生』
クロロ先生とは部室にいる間だけ、会話をするくらいまでには打ち解け、本を読むクロロ先生の邪魔をするように声をかけた。
『どうしたの?』
『私、星になる。』
その言葉を聞いたクロロ先生はすぐに目線を本から私に向けた。
その表情は酷く悲しそうで、でもどこか怒りを滲ませていて、前世を覚えているんだとわかった。
『お前…』
『それとも…遠行(えんこう)に行くとでも言った方がいい?』
普段の柔らかな口調ではなく、何処か荒々しさを感じる口調ににっこりと笑ってみせる。
この言葉がどれ程嫌であるかを私は知っているから今、クロロ先生がどんな気持ちなのかは想像がつく。
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結梅(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!! (2020年6月3日 9時) (レス) id: 1228fc8387 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリンチー - 楽しみに待ってます! (2020年2月23日 3時) (レス) id: 93c5d350f5 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - クラピカぁあぁあっ!なぜ殺したぁあぁあ!! (2019年10月31日 23時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
ハオミン - キルアのかわいさに脱帽した (2019年7月25日 7時) (レス) id: 228eb0b481 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カエデ | 作成日時:2019年7月23日 4時