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『お姉さん大丈夫!?』
『転けてないから平気だけど、化粧品拾うの手伝ってもらえる?』
『うん、いいよ。』
周りの冷ややかな目が突き刺さる。
なかなかに精神的に来る…。
でも、これで完全にコナンくんの意識は私から離れた。
ここしかない。
ポーチを地面に置き、私は横断歩道を渡り逃げ出した。
反対側から私を呼ぶコナンくんの声が聞こえる。
何この罪悪感。
あんないい子を騙すような真似するとか私クソ過ぎ。
***
なんとかコナンくんから逃げ延びた私はとある住所を目指していた。
元の世界で私が住んでいたアパート。
もし、そこが実在していればの話だけど。
無かったらどうしよう。
あっても私の部屋がなかったらどうしよう。
様々な不安が私を襲う。
『あら、井出神さんじゃない!』
顔を上げてみればホウキを片手に持ったおばさんが1人。
井出神って私の事?
そっと自分自身を指さすと、おばさんは笑う。
『やーね!もうぼけてるの?』
『い、いえ!そうゆう訳じゃ…。』
『それにしても珍しいわねぇ。
井出神さんがこんな時間に歩いてるなんて。』
『気分転換に。』
このおばさんは私のことを知ってるってことは、私の部屋はちゃんとあるんだ。
その事だけが嬉しくて、私は安堵した。
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未来ーミクー(プロフ) - みちさん» それな (2020年2月6日 14時) (レス) id: 6e3b9846a0 (このIDを非表示/違反報告)
みち - あ"あ"あ"っ…私も主人公ちゃんになりたい…安室さんに会いたい…コナンくんとか平次とか哀ちゃんとか会いたい…黒の組織なりたい… (2019年5月16日 0時) (レス) id: 737d5e15b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花楓 | 作成日時:2019年4月26日 7時