喋れない少女

助かり方 ページ8

どうしましょう…
もう借金をしてまでここから出るしか…？
いやいや、お金払えないのは辛いですし
どうしましょう…！
「お…む…かえ…ほ…ひゃ…も…こい」
なんかあのおっさん誰かと電話してますね。
多分
おい、娘は預かった。返してほしければ百万もってこい
なんでしょうね…
娘ってなんなんですか！
苛つきますね！
というか私一人暮らしですので親はいませんけど
誰に電話したんでしょうか。
まさか、学校！？
どうしましょう！
これ以上目立ちたくないのにまた目立ってしまいます！
もう無理やり壊して出ましょうか…！
そもそも私が壊したことにしなければ…！
いや、やめといたほうがいいですよね。
どうしましょう、大人しくしておくしかなさそうです…
〈ガコッ〉
私)「？」
「電話にでろ」
私『声が出ないので無理です』
「いいから！」
あれ？なんか焦ってますね
五条)「おーい、蓬無事？」
あっ、五条先生ですか。
しかもビデオ通話になってますね。
私)『無事です』
五条)「よかった！さっきあの犯人脅してビデオ通話にしたかいがあるね！」
脅すなよ！
私)『脅すのは先生としてどうかと思います』
五条)「会話をするにはしかたなくない？」
それ以前に脅してほしくないです。
だからあんなに慌ててたんですね。
五条)「蓬のことだから自力で出れたと思うけど
　 出なかったのはどうせ弁償代が…とかでしょ？」
私)『先生エスパーだったりします？』
五条)「あたりってことだね。
　 だいじょうぶ！先生が弁償代肩代わりしてあげるから！
　 好きなだけ暴れていいよ！
　 終わったら迎えに行ってあげる！」
私)『感謝します』
電話が切れた…。
肩代わりしていただけるなら
好きなだけ暴れれますね！
「ひっ！や、やめ…！」
(術式展開、布切ハサミ)
近くにあった小さなハサミを呪力で拡大する。
空間を、まるで布を裂くように
相手を気絶させる程度に切り刻む。
それが、私がよく使う術式
布切りハサミだ。
「っ…⁉」
私の勝ちですね！って、喋れないから聞こえません！
私は急いで倉庫から出て五条先生来てくれないかな〜と
迎えを待っているのであった。

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