深淵を覗く時。【sha】 ページ5
(夢主視点、オフィスパロ、夢主も若干アレな子です、ヤンデレ)
好きな人のことならなんでも知りたい、という気持ちはそんなに異常なことではないと思う。
けど、私のそれは世間一般の常識からすると少し度が過ぎたものかもしれない。
「それで、この間の外食では何を？」
「餃子2皿と半チャーハン。ホンマ、こんなこと聞いてどないすんねん。」
私の目の前に座っているゾム先輩は呆れ顔でこちらを見ている。
彼は、私が秘かに想いを寄せているシャオロン先輩と仲がいい。
シャオロン先輩に直接話しかける勇気を持てない私は、ゾム先輩をご飯に誘っては彼から情報を得ることで欲求を満たしているのだ。
「いいんですよ、とにかくシャオロン先輩のことなら何でも知りたいんです。ゾム先輩は美味しいもの食べていい気分になってどんどん喋ってください。今日という今日は私が奢りますから！」
「お前は女スパイか何かかよ……。」
ゾム先輩は苦笑いしながらピザを口へ押し込んだ。
いつも私が奢りますと言って誘っているし、お会計の時も全部払おうとするのだが、結局押し切られて割り勘になったり、ゾム先輩がこっそり払ってくれていたりする。
彼は尋常ではない量を食べるので正直に言えばお財布的にはありがたい。
しかし、タダで情報を貰うのは申し訳なくもあった。
「ってか、いつまでこんなん続ける気や。ええ加減シャオロンに直接アプローチしたらええやん。」
「えーっ、ムリムリ無理の助ですよ！ こんな気持ち悪いことしてる女、常識的に考えて願い下げですし。」
そう、シャオロン先輩の視点で考えて、自分の友人に根掘り葉掘り個人情報を聞いてくるような奴を好きになるわけがない。
まあ友人の情報を売る方も売る方だと思うが……。
「もしかして、シャオロン先輩への罪悪感とか感じちゃってますか？ そういうことなら、もうゾム先輩から聞くのはやめますけど……。」
「罪悪感なら一応最初からあるわ。ただ、その……不毛な関係を続けるのはどうかと思う、というか……。」
どことなく歯切れの悪い様子のゾム先輩。
急にどうしたのだろうか。
パスタを口に運びつつ様子をうかがっていると、彼は何か吹っ切れたように再び口を開く。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
笹良柚紀(プロフ) - 碧さん» コメントありがとうございます！今後も拗らせた話を中心に書いていきますので、お付き合い頂ければ幸いです〜 (2019年11月8日 21時) (
レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 初めまして、いつも楽しく読ませていただいております！ヤンデレ大好きです（真顔）。これからも頑張ってください！応援しています。 (2019年11月8日 20時) (レス) id: b98328a63d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：笹良柚紀
| 作成日時：2019年2月9日 3時
