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「お前ら、後悔するで。」
自らの首に縄をかけて私達を見下ろすロボロは笑っていた。
一際強い風が吹いて、顕になった瞳は確かに赤く光っている。
――ロボロは、人狼だ。
その直感に安堵すると同時に、新たな疑問も生まれた。
私達は人狼を処刑できたはずなのに、後悔する、とは？
しかし真意を問い質す前に、彼は逃げるように足場を蹴った。
刹那、ぐんと伸びた縄が頚椎を砕きその生命を奪う。
遺されたのは呆然と立ち尽くす私達と、吊されたまま風に揺られ夕陽に背を焼かれる死体だけだった。
不意に横を向くと、シャオロンと目が合う。
「ね、ねぇシャオロン。シャオロンは狼じゃないよね？」
「ああ、俺達は最後の狼を処刑した。よくロボロ狼を見抜いてくれたな！」
笑顔で返ってきた答えに、ようやく長い戦いが終わったんだと実感し大きく息をついた。
ロボロの言葉はきっと捨て台詞だったんだ。
「でも、3人だけになっちゃったね。これからどうしよう。」
「せやなぁ、どないしよか。」
村を復興するか、他へ移り住むべきか。
しばらくシャオロンと話していたが、一向にトントンが会話へ加わってくる気配がない。
「トントン、どうしたの？」
見れば彼は、ロボロの遺体を睨みつけていた。
「おかしい。」
「え、霊能力的に何かあるってこと？」
トントンがロボロの判定を見るにしても、それは夜になってからのはずだ。
現状、夕陽は相変わらず地平線を赤く染めている。
「夜が来ない。」
「え……？」
トントンはロボロではなく夕陽を見ていたらしい。
確かに、今までは処刑の後にすぐ夜が来た。
けれど夜が来ないことこそ、私達が勝った証ではないのか。
困惑する私にトントンは続ける。
「すぐに夜にならんのはともかく、夕陽が沈まんのは自然現象としておかしいやろ。」
その声はかすかに震えていた。
言われてみればロボロを処刑した瞬間から、まるで時が止まってしまったかのような……。
そう思った矢先、隣から奇妙な笑い声が。
いや、厳密には笑い声のような何かが聞こてえきた。
擬音にすればキキキ……が近いだろうか？
おおよそ人の声帯から出ているとは思えぬ音は、私の精神を酷く揺さぶった。
「シャオ、ロン……？」
「そやなぁ。やっぱり夕陽よりは、お月さんの方が情緒があるか。」
彼がそう呟いた瞬間、いつの間にか日は暮れて空には高く月が昇っていた。
しかしそれは昨日までとは違い満月ではなく細い三日月で。
私はその光景に途方もなく嫌な予感を覚えた。
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笹良柚紀(プロフ) - ごみくずさん» ご満足いただけたなら何よりです、改めてリクエストありがとうございました！ (2018年10月9日 20時) (
レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
ごみくず(プロフ) - 笹良柚紀さん» わぁぁぁあああありがとうございます……！！！お互いの依存具合とか壊れっぷりが半端なくだいすきです…文章もとっても綺麗で…ほんともう…ありがとうございます…() 素敵な作品を本当にありがとうございました！これからも陰ながら応援してます…！ (2018年10月9日 13時) (レス) id: 716d47e424 (このIDを非表示/違反報告)
笹良柚紀(プロフ) - ごみくずさん» リクエストありがとうございます！ ゆっくり消化ですが気長にお待ちいただければ幸いです〜 (2018年10月7日 14時) (レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
ごみくず(プロフ) - コメント失礼します。貴方様の文章が大好きで、いつも更新の度に楽しませて頂いてます。そこでリクエストなのですが、｢ut先生、好きすぎて暴力を振るってしまう夢主とそれを受け入れてしまうut先生、共依存｣が見てみたいです…気が向いたらお願いします (2018年10月7日 8時) (レス) id: 716d47e424 (このIDを非表示/違反報告)
笹良柚紀(プロフ) - 変なカピバラさん» コメントありがとうございます！ そう言って頂けると大変励みになります。不定期更新ですが今後とも楽しんで頂ければ幸いです〜 (2018年7月25日 10時) (レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：笹良柚紀
| 作成日時：2018年4月10日 22時
