三日月の隙間に落ちる。【sha】 ページ44
(人狼ゲームパロ、人外設定、夢主視点、リアル人狼なので人が死にます。)
「私は、トントンは本物の霊能者だと思う。シャオロンの動きはどう考えても狼には見えないよ。だから、最後の狼はロボロとしか考えられない。」
「そんな……待ってくれA！ 騙されたらアカンて、狼はシャオロンなんや！！」
突然村に人狼騒ぎが起こって、一緒に暮らしてきた仲間の死を乗り越えて、私達は4人で最終日を迎えていた。
今日、狼を処刑できなければ今夜の襲撃で村人がまた減る。
明日の朝には村人と狼が一対一になって、最後の村人も喰われてしまうだろう。
今朝の時点で生き残っているのは私とシャオロンとロボロ、そしてほぼ本物の霊能者のトントン。
私は村人なのでシャオロンかロボロに狼がいるはずなのだ。
二人の話を聞いて、これまでの発言も見直して、私はたった今、ロボロが狼だという結論を出した。
「俺もAが狼だとは考えられへん。となれば、狼はロボロや。」
「シャオロン……お前白々しいぞ！」
シャオロンの言葉に言い返すロボロは本気で焦っているように見えて、彼を処刑することに躊躇いを覚える。
しかし、狼だってもう後がないのだ。
ここで焦るのは村でも狼でも同じ、惑わされてはいけない。
私は迷いを振り払って投票用の紙に名前を書き込んだ。
最初の処刑の時から毎日ペンを持つ手が震えたが、それも今日でおしまい。
折りたたんだ紙を投票箱に入れると、すとんと乾いた音がした。
「……時間やな。」
日が傾き、茜色に染まった空を見上げたトントンが静かに呟く。
空けられた箱の中には４枚の紙。
最初にこの箱が開かれた時にはガサガサと音がしたのだが、随分寂しくなってしまったものだ。
トントンの手で1枚ずつ順番に開かれていく様子を、私達は静かに見守る。
ロボロは既に己の運命を悟っているのか、風に揺られる布の下からのぞく目は酷く冷めたものだった。
「ロボロ3票、シャオロン1票。今日の処刑はロボロで決まりや。」
「……………。」
無言のまま、ロボロは自ら絞首台の方へと歩みを進める。
私はそれをただ見つめるしかなかった。
彼は狼だと信じて投票したのだ、それが間違っていたなら私達に明日はない。
今はただ、狼を処刑出来たことを願うしか――。
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笹良柚紀(プロフ) - ごみくずさん» ご満足いただけたなら何よりです、改めてリクエストありがとうございました！ (2018年10月9日 20時) (
レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
ごみくず(プロフ) - 笹良柚紀さん» わぁぁぁあああありがとうございます……！！！お互いの依存具合とか壊れっぷりが半端なくだいすきです…文章もとっても綺麗で…ほんともう…ありがとうございます…() 素敵な作品を本当にありがとうございました！これからも陰ながら応援してます…！ (2018年10月9日 13時) (レス) id: 716d47e424 (このIDを非表示/違反報告)
笹良柚紀(プロフ) - ごみくずさん» リクエストありがとうございます！ ゆっくり消化ですが気長にお待ちいただければ幸いです〜 (2018年10月7日 14時) (レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
ごみくず(プロフ) - コメント失礼します。貴方様の文章が大好きで、いつも更新の度に楽しませて頂いてます。そこでリクエストなのですが、｢ut先生、好きすぎて暴力を振るってしまう夢主とそれを受け入れてしまうut先生、共依存｣が見てみたいです…気が向いたらお願いします (2018年10月7日 8時) (レス) id: 716d47e424 (このIDを非表示/違反報告)
笹良柚紀(プロフ) - 変なカピバラさん» コメントありがとうございます！ そう言って頂けると大変励みになります。不定期更新ですが今後とも楽しんで頂ければ幸いです〜 (2018年7月25日 10時) (レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：笹良柚紀
| 作成日時：2018年4月10日 22時
