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「天使様、貴方は優しいから人を撃てなかったのでしょう。」
「え……？」
Aは微笑んでいた。
まさか、分かっていたのか。
銃口の先に何があるか知っていて、彼女は引き金を引いたのか。
「だって、勇敢な貴方が撃つことを躊躇う理由なんてほかにないじゃないですか。」
「そんな、それに君だって。」
人を撃つのは怖いだろう？
そう問えばAは目を閉じて俺の手に重ねたままの手にゆっくりと頬を寄せる。
粗末な服の村娘と拳銃という奇妙な取り合わせは、まるで1枚の絵画か何かのようだ。
「ええ、私一人ではとても。けど天使様と一緒なら私は撃てます。」
無論、それは肉体的な意味も含むだろう。
彼女の視力では敵を狙うことが出来ないから俺が照準を合わせる必要がある。
だがそれ以上の精神的な苦痛を、彼女は共に背負ってくれるというのだ。
「貴方が私の側にいてくださるなら、私もまた貴方の側にいたいのです。」
「A……。」
俺は深呼吸をして拳銃を強く握り直した。
もう、迷わない、躊躇わない。
どれだけ罪を重ねることになったとしても彼女を守り、彼女の側で明日を生き永らえてみせる。
「ごめん、情けないとこ見せたわ。次からは自分で撃てる……けど、一緒にいて欲しい。」
「もちろん、この手はいつも貴方の手の上に。」
俺達は聖人じゃない。
しかし背教者でもない。
勝つために、生きるためにこれから罪を重ねることになるのだろう。
天国も地獄もどうせありはしないんだ。
だからせめて生きている間は、彼女を守る天使でいよう。
俺は手の中にある俺の翼を、そっとホルスターへ戻した。
angle with a shotgun.
(後にゾチ-コネシマ戦役と呼ばれることになる一連の戦いにおいて、審判の弾丸の異名を取った男の側にはいつも一人の女性が連れ添っていたという。)
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笹良柚紀(プロフ) - ごみくずさん» ご満足いただけたなら何よりです、改めてリクエストありがとうございました！ (2018年10月9日 20時) (
レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
ごみくず(プロフ) - 笹良柚紀さん» わぁぁぁあああありがとうございます……！！！お互いの依存具合とか壊れっぷりが半端なくだいすきです…文章もとっても綺麗で…ほんともう…ありがとうございます…() 素敵な作品を本当にありがとうございました！これからも陰ながら応援してます…！ (2018年10月9日 13時) (レス) id: 716d47e424 (このIDを非表示/違反報告)
笹良柚紀(プロフ) - ごみくずさん» リクエストありがとうございます！ ゆっくり消化ですが気長にお待ちいただければ幸いです〜 (2018年10月7日 14時) (レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
ごみくず(プロフ) - コメント失礼します。貴方様の文章が大好きで、いつも更新の度に楽しませて頂いてます。そこでリクエストなのですが、｢ut先生、好きすぎて暴力を振るってしまう夢主とそれを受け入れてしまうut先生、共依存｣が見てみたいです…気が向いたらお願いします (2018年10月7日 8時) (レス) id: 716d47e424 (このIDを非表示/違反報告)
笹良柚紀(プロフ) - 変なカピバラさん» コメントありがとうございます！ そう言って頂けると大変励みになります。不定期更新ですが今後とも楽しんで頂ければ幸いです〜 (2018年7月25日 10時) (レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：笹良柚紀
| 作成日時：2018年4月10日 22時
