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数日後、恐れていた事態が起こった。
コネシマ王国軍が真っ先に教皇領へ寝返ったこの村へ、恐らくは見せしめ目的で攻めてきたのだ。
こちらには騎士達がいるとはいえ、向こうは科学の力を借りた兵器で武装している。
ひと筋縄ではいかないのは俺が一番よく知っていた。
「駄目だ大先生！ スライムじゃライフルで一撃だよ。」
「クッソ……。下がるで、Aも着いてきてな！」
もはや村の中に安全と言える場所はないし、何より視覚に頼った状況確認が出来ないAを1人にするのはむしろ危険だ。
そう判断した俺はとりあえずロボロも連れて3人で行動していたが、ロボロに指揮させていた魔物もあっという間に倒されてしまい、残る武器といえば俺の拳銃だけになってしまった。
「ど、どうしよう。ライフル相手に拳銃じゃキツイよ。」
「せやな……。どっか篭って、来たら撃たれる前に撃つしかないわ。」
俺達は近くの民家の納屋に隠れることにした。
じっと外を伺っていると斥候だろうか、一人の兵士がこちらへ向かって歩いてくるのが見えた。
まだ距離はあるが人が隠れていそうな建物を見逃してくれるとも思えない。
殺るなら今だ。
そう思って銃を構え、撃鉄を起こして引き金にかけた指が何故か動かなかった。
「くそ、なんでや……この肝心な時になんで撃てへんねん……！」
本当は分かっている。
俺は、人に向けて銃を撃ったことがなかったのだ。
無論ゲームの中では何度も撃った。
けど、これは紛れもないリアルであり相手は生きている生身の人間だ。
魔物を倒すのはまだゲームに近い感覚でいけたが、生きた人間を殺すだけの覚悟が俺にはまだ備わってなかったということか。
すっ、と。
俺の手に一回り小さな手が添えられた。
「大丈夫です、天使様。」
ああ……止めろ、それは駄目だ。
止めなくてはと思うのに、彼女の力が強いのか俺の手に力が入らないせいか、その指が引き金にかかるのを見ているしかなかった。
「貴方が撃てない時は、私が撃ちますから。」
撃ち出された弾、硝煙が上がるのがスローモーションで見えたきがした。
次に気がついた時には正面の兵士の首から血が吹き出して倒れており、絶命しているのが分かる。
「あ……き、君は……違う……俺はなんてことを……！」
Aに手を汚させてしまった。
俺に、俺の覚悟が足りなかったばかりに。
優しい彼女を罪人にしてしまった。
それもきっと無自覚に――。
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笹良柚紀(プロフ) - ごみくずさん» ご満足いただけたなら何よりです、改めてリクエストありがとうございました！ (2018年10月9日 20時) (
レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
ごみくず(プロフ) - 笹良柚紀さん» わぁぁぁあああありがとうございます……！！！お互いの依存具合とか壊れっぷりが半端なくだいすきです…文章もとっても綺麗で…ほんともう…ありがとうございます…() 素敵な作品を本当にありがとうございました！これからも陰ながら応援してます…！ (2018年10月9日 13時) (レス) id: 716d47e424 (このIDを非表示/違反報告)
笹良柚紀(プロフ) - ごみくずさん» リクエストありがとうございます！ ゆっくり消化ですが気長にお待ちいただければ幸いです〜 (2018年10月7日 14時) (レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
ごみくず(プロフ) - コメント失礼します。貴方様の文章が大好きで、いつも更新の度に楽しませて頂いてます。そこでリクエストなのですが、｢ut先生、好きすぎて暴力を振るってしまう夢主とそれを受け入れてしまうut先生、共依存｣が見てみたいです…気が向いたらお願いします (2018年10月7日 8時) (レス) id: 716d47e424 (このIDを非表示/違反報告)
笹良柚紀(プロフ) - 変なカピバラさん» コメントありがとうございます！ そう言って頂けると大変励みになります。不定期更新ですが今後とも楽しんで頂ければ幸いです〜 (2018年7月25日 10時) (レス) id: da544bddee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：笹良柚紀
| 作成日時：2018年4月10日 22時
