09 ページ11
*
久し振りに阿部ちゃんに会えた日から数日後、
私以外の３人は既に住んでいる新居へと必要な荷物を運び込んだ。
会社からの距離は今住んでいる場所とそう変わりなく、どちらでも生活できるように私の部屋も普通に用意されている。
家具も小物も衣類も、今までの実家の物を持ってきたから部屋の中は何の違和感もなく居心地が良い。
母「今日は泊まってく？」
『お母さん、寂しいんでしょ〜』
母「ちょっとね(笑)」
お義父さんは出張で今日は帰らない。
蓮くんのお仕事が終わるのは夜。
久々に母と一緒に買い物へ行って、一緒に料理をする。
たまにはこんな休日も悪くない。
──────────────────
目「ただいま」
『あ、おかえりなさ〜い』
玄関から聞こえてくる声の主を出迎えると私の姿を目に固まる蓮くん。
『蓮くん？』
呆然とする蓮くんの視線に入り込み手をひらひらさせると、ふっと微笑んだ。
目「ビックリした…来てたんだ」
『うん。ご飯どうする？』
目「…食べる」
『は〜い、用意するね』
キッチンに戻り３人分の夕飯を並べる。
荷物を置いた蓮くんが来て皆で食卓を囲めば、初めてとは思えない程自然に弾む会話。
やっぱり蓮くんは人との距離の詰め方が上手なのか、母ともすっかり親子のように接していて…
特別心配していた訳ではないけれど、何だか安心した。
目「これ美味っ」
母「でしょ〜！それAが作ったのよ」
目「え…Aちゃんが？」
『何その反応……料理出来ないと思った？』
目「ドジっ子だから」
『そんな事ない！』
目「冗談だって(笑) 本当に美味いよ、
俺これ好き。また作って」
『うん、いつかね(笑)』
目「約束な」
また作ってとお願いするくらい気に入ってくれたのなら嬉しい。
スープオムライスを頬張る蓮くんが可愛らしくて、食べる手を止めてその姿を眺めていた。
母「ふふ、何だか貴方たちが新婚みたいね」
『「 え…？ 」』
母の何気ない一言で顔を見合わせた私達は、妙な気恥ずかしさから視線を逸らした。
目「義母さん達には負けますよ」
母「当然でしょ、本物の新婚だもの」
自信満々に答える母に二人して笑ってしまった。
再び顔を見合わせれば、蓮くんは更に目を細めて優しく微笑む。
新婚みたい、なんて言われたからか変に意識してしてしまう。
……義弟相手にちょっと、心臓がうるさい。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 968人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆゆ(プロフ) - 純さん» ありがとうございます！本当はもっとあっさり終わる予定だったのに、書いているうちにキャラが勝手に…(実際は文章力の問題)。もう少しお付き合い頂けたら嬉しいです！ (2019年10月22日 19時) (
レス) id: ac690e68a8 (このIDを非表示/違反報告)
純(プロフ) - 更新楽しみしてます！！オチどっちなのかめっちゃ気になります！わたし的にさっくんが、、、、これからも楽しみにしてます！ (2019年10月21日 20時) (レス) id: d3ea9b51f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 鈴蘭さん» ありがとうございます！マイペースながら更新していきたいなと思っています。ピュア感が出せるか分かりませんが、上手いこと流れに組み込めたら良いなと思います。 (2019年10月13日 14時) (レス) id: ac690e68a8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - とても面白くて続きが楽しみです！ちょっとピュアな流れが見たいです。無理せずマイペースに更新お願いします!! (2019年10月12日 15時) (レス) id: fb3e710945 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - めめさん» ありがとうございます！はたして私が甘いのを書けるのか疑わしいところですが話の流れでご希望に添える事が出来そうであれば挑戦してみます← (2019年10月11日 20時) (レス) id: ac690e68a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆゆ | 作成日時：2019年9月8日 11時
