秘密【愛乃】 ページ24
ランセ「……穴なら一応あるけど?」
響ネ「人を部屋に入れるときの第一声がそれなのね」
ユキノ「待って、また声漏れてた…?」
ランセ「ばっちし」
ユキノ「…うっそだぁ…」
響ネ「…一応ユキノちゃん頭打ったんだから、そっちの心配しなよ…」
部屋にユキノを入れると、"意外"と言うような目で部屋を見渡していた。
ランタンシャンデリアを物珍しそうに見たり、クインシー型の地球儀をクルクル回したり、懐中時計をパカパカ開いたり…。
ユキノ「なんか…私の見たこと無いものばかり………あ、そうだ。ランセ、話って?」
ランセ「…ん……あのな…」
といって、カーペットの上に座る。
ユキノも、同じ様に。
ランセ「今まで…誰にも言ってこなかったんだが…、
昔、小学校の頃、このことを言わないせいで、虐められていたことがあるんだ。
何箇所も、転々と転校を繰り返したが、結果は同じだった。
最初は皆仲良かったんだけど…俺が、ほぼ学校にこず、引き篭もりだと思われて…。
でも…その……もう、このことを言わないせいで、友達を失いたくないんだ……」
うつむき加減で喋っているので、ユキノの表情は読み取れない。
俺の話は不器用で、聞いているすらも分からない…。
ランセ「…だから……!!ユキノだけには言っておきたい
その……今までの中で一番の友達だからさ…」ボソッ
最後の…聞こえなかったよな…?
そう思って、一つに結っていた髪をほどき、片方だけあげていた前髪を下ろした。
ユキノ「も、もしかして…アルさん…!?」
ランセ「ん…大正解」
ユキノ「え、ちょ、え…こ、こんな近くにアルさん居たんですか!?」
ランセ「いや、あの、敬語使わなくていいよ…?いつものランセだからね?」
ユキノ「しゃ、喋り方もアルさんだ…!?荒いけど上品さの見いだされるあの喋り方…!!」
ランセ「その喋り方名は何…?」
響ネ「因みに、トヨはね〜!!」
と言って、髪を一つの団子結びにし、ステージ衣装のフードをかぶる。
ユキノ「ト、ト
響ネ「そ♪アル、結構真剣に考えてたんだよ?友達を失うか、正体がバレるか、どっちを守るほうが大切かってね。でも、今回は友達が勝ったみたい。フフッ、意外と可愛い所あるでしょこの子」
ランセ「……うるさいよ。ト音芦?」
響ネ「あ、後30分で、ここ出なきゃ番組に間に合わないよ」
ランセ「そうだね…ユキノ、こんなどうでもいい内容で呼び出したりしてゴメンね…」
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