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涙【愛乃】 ページ11

ユキノが目を覚ました時から、凄く気まずかった。
嘘は…付けない人間でして……。

今日の授業は全部休んだ。
ジンペーは…流石にヤバいと言って一回帰っては、先生に休むと伝えて戻ってきて、一緒にずっと付き添っていた。
でも、ユキノの過去の話をしてからというもの、一切ジンペーと喋らなかった。
いや、ジンペーは喋りかけてくれたけど、俺が喋らなかった。
違うクラスからなのか、一人の女の子と、サン太夫……サン君とマタローが来たときも、一言も喋らなかったので、何があったのか伝えてないし、そして、女の子の名前すらまだ知らない。


その後、ユキノの新事実を聞いた。

全部聞き終わった後、ユキノはこっちをよく見なかったが、俺は昔のことを思い出した。
つらい過去。話したくない過去のハズなのに…。
何でも話せる関係……『友達』って、いいな……。

気づけば、俺のスカートの上は濡れていた。
一粒、また一粒、何かが落ちていくたびに、濡れは広がっていく。
え…俺……まさか………



フブキ「……貴方…泣いてるの…?」

ランセ「…は?ちげぇし!!泣いてなんか……泣いて…」



ヤケになって叫んだのがいけなかった。
涙の量は増え、過去の記憶が濃くなり、今度は俺が倒れそうになった。
そんな俺をギュッと抱きしめてくれたのは…ユキノだった。



ユキノ「ゴメンね!!心配かけちゃって。でも泣かないで!!私は大丈夫だから!心配してくれて有り難う…!!」

ランセ「……ん…」

ユキノ「……こんな空気の中何だけど…思い切って言うね…!!」

ジンペイ「ん?何かあったのか?」

ユキノ「私……YSP軽音部に入ろうと思う!!」


一同「「…………へ?」」



皆、一度顔を見合わせ、叫んだ。




一同「「えぇぇぇぇぇ!?」」

園等「保健室では静かにしなさーい」

過去を忘れる(稲森天利。)→←目を覚ますと(稲森天利。)



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作者名:愛乃&稲森天利。 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年3月29日 15時

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