え……私の幼馴染呪われてるんですか…？【乙骨憂太】

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メガネをそっと外しながら、真希ちゃんが話を続ける。




「私はこのダセェ眼鏡がねぇと呪いが見えねぇ。私の呪具は初めから呪力がこもってるモンで、私がどうこうしてるわけじゃねぇ」




「おかげで家出られたけどな！」と真希ちゃんがさっき外した眼鏡をかける。「飯は不味ぃし…」と愚痴る彼女に、今までの言動はそういうことだったのか…と納得した。




「真希さんは、どうして呪術師を続けるの？」

「私は性格悪ぃかんな。一級術師として出戻って、家の連中に吠え面かかせてやるんだ」




「そんで内から禪院家ブッ潰してやる…」と楽しそうにやりたいことを話す真希ちゃんを見て、思わずくすりと笑いがこぼれた。




「んだよ」

『いや、真希ちゃんらしいなって』

「それ僕も思った。僕は、真希さんみたいになりたい。強く真っすぐ生きたいんだ。僕に手伝えることがあったら、なんでも言ってよ。禪院家ぶっ壊そー、なんて」

「バーカ、1人でやるから意味があんだよ」

「…あ"」




「部屋戻るわ」と教室から出て行く真希ちゃん。心なしか、少し頬赤くなかったか？えっヤダ何あの子超カワイイ。




『………憂太』

「どうしたの？Aちゃん」

『私は、例えどっちを選んでもずっと応援してっからな…！！』

「え、ちょ、待ってどういうこと！？」




アタフタ慌てる憂太に、グッと親指を立てる。大丈夫、私はゆたりかでもゆたまきでもどっちにしろ推すから。むしろ推させろ。



今頃は皆忙しいんだろうなぁ…とか思いながら窓の外を眺める。



………何で、夏油はわざわざ予告なんてしたんだろう。今回、呪術連とか御三家とかにも協力を要請し、呪術師総出で対処しているはずだ。夏油の術式は確か、呪霊操術だったか。主従制約のない呪いを取り込み操る術式。だとしても限度ってもんがある。向こうの呪霊や術師がどんなに多くても勝率はかなり低いだろう。



もしかして、勝率を跳ね上げるような策でも持ってるのか？うーんと悩む私を気遣うように、憂太が顔を覗き込む。




「Aちゃん？何か考え事？お腹でも空いたの？」

『いやあのさ、何で憂太の中では"私の考え事＝お腹空いた"の等式が成り立ってんの？？？』




………あれ、今何か閃きかけたのに憂太と話してたら全く分かんなくなったぞ。

？と頭を悩ませていた、まさにその時だった。




高専に帳が下りたのは。

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