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「ねえ、サクラ。アンタ彼氏でもできたの?」
片目が隠れた白に近い金色の髪を持つくノ一…山中いのはサクラの顔を覗き込んだ。
「やだ、いのったら。何なのいきなり」
まだ仕事中なんだからそういう話は後にしてよ、とサクラはいのを制するがいのの勢いに圧倒されてしまった。
「だってー、最近心なしか嬉しそうに見えるんだもの」
「そんなことないわよ。いつも通り」
「私の目は誤魔化せないわ。サスケくんは吹っ切れたの?」
「サスケくんのことはもうとっくに吹っ切れてる!……私はサスケくんが幸せなら、それでいいから….」
「やっとアンタも前進したのね。結構心配してたのよ。……で、新しい相手は?」
「本当にいないわよ。毎日仕事ばっかりだし」
「そんな悠長なこと言ってられないでしょ。いい加減にアンタも早くいい彼をゲットしなさい!」
彼氏がいないのはもうアンタだけじゃないの、と追い討ちをかけるいのにサクラは返す言葉がなかった。
いのとサイ、チョウジとカルイ、シカマルとテマリ……。サクラの周りの多くの者が結婚に向けて着々と準備をしていた。
ナルトもヒナタと付き合い始めたしなぁ……。
そんなことを考え、サクラは仕事机に頬杖をついた。
昔はあんなにサクラちゃんサクラちゃんって言ってたのに。なんだか嬉しいような悲しいような……。
「なかなか口を割らなさそうだから今日のところは勘弁してあげる。だけどサクラ、付き合う前に私に紹介しなさいよ?」
アンタを任せられるかどうか私が見極めてあげるから、といのは笑った。
「うん、ありがとう。いの」
「さて、私も仕事に戻るかな」
グーっと伸びをしながら部屋を出て行くいのに手を振り、苦笑した。
相手は30歳過ぎの大罪人だって言ったら、きっといのは倒れるだろうな。
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いずな - オビトェ… (2018年11月30日 23時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘ゆら | 作成日時:2018年11月29日 2時