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それは眠気を誘うような温かい春の日だった。
カーテンを締め切った部屋の中、薄紅色の髪をした若い女が一人、机に向かっていた。ぐっと背中を反るように大きな伸びをし、カーテンの隙間から差し込む朝の陽の光に目をやった。

木の葉の医療忍者にして五代目火影の弟子でもある春野サクラは徹夜明けの欠伸を噛み殺しながら、辞書のように分厚い医学書をパタンと閉じた。

____もう朝になってたんだ………。

木の葉病院内の資料庫の中で調べ物をしていたサクラであったが、いつの間にか夜は明けていた。寝不足で頭が痛い。椅子から立ち上がると立ち眩みがした。家へ帰って横になりたいところだったが、生憎今日は午前中から仕事が入っているので、それが叶うのは当分先のようだ。
「はぁぁ…」

気落ちしたサクラの口からもう一つ、深い溜息が漏れた。




「あ、サクラ!綱手様がお呼びよ!」
同日昼過ぎ、レポートを血眼で記入していたサクラはシズネに声をかけられビクンと肩が上がった。
「し、師匠が……?」
レポート提出を忘れていた私が師匠に呼ばれるという事はお咎めを受ける以外には考えられない。ああ、どうしたものか……。目を泳がすサクラをシズネは不思議そうに見つめる。

「どうかした?」
「い、いえ……なんでも」
寝不足に追い打ちをかけるように師匠の叱責が飛んでくるのかと考えると気が滅入ってしまいそうだ。
「すぐに行きます」
サクラは腰を上げ、重い足取りで火影室へ向かった。


火影室のドアをノックすると、入れと中から返事が返ってきた。
「失礼します」
「うむ」
「用件とは一体……」

サクラは綱手の顔色を伺いながら恐る恐る聞いた。以前も同じような事をしでかし、猛烈に綱手に怒られたことがあった。その時の怒りようを思い出すと、今でも背筋が凍り付きそうだ。

「お前に一つ頼みたいことがある」
「………え?レポートの話じゃないんですか…?」
「ん?レポート?」
サクラは呆気にとられた。綱手の物腰柔らかな言い様から判断するに、どうやらお叱りを受けるようではないらしい。ああ、良かったとサクラは胸を撫で下ろした。

「それで、頼みたいことって……」
「ああ、監○禁されている者の世話役を頼みたい」

2.→



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設定タグ:NARUTO , うちはオビト , 春野サクラ   
作品ジャンル:アニメ
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いずな - オビトェ… (2018年11月30日 23時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:橘ゆら | 作成日時:2018年11月29日 2時

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