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第五十九話 〈紡と結と白と黒〉 ページ23

山の道なき道を歩く。自分たちはどこにいるのだろう。暗い山の木々を掻き分けて進んでいく。自分たちは何がしたいのだろう。山に音が響く。自分たちは何をすればいいのだろう。音が示す。

ぼんやりした頭が、“彼女たち”にあった瞬間、はっきりする。

響く弦鳴楽器(ヴァイオリン)の音が、妙に耳あたりがいい。

ああ、そうか。

俺たちは。





「……彼女の音楽を…守らなくては……」

「……彼女が、正しいのだから……」









「わおお…!私の音楽は世界一……!」


くるりくるりと回りながら、少女は弦鳴楽器を奏でる。その隣で、座って頬杖をつきながら少年が訊ねる。


「…ねーぇ、(むすび)?」

「なあに、(つむぎ)?」

「結の音楽はどこが凄いの?ボクには普通の音にしか聞こえないよ」

「人間に取っては素敵な音なのよ。あなたが人間だったらこの素晴らしさがわかったのに」

「自分から死んだり、死ぬ時に抵抗もなかったり、仲間を殺してしまうほど素晴らしいんだね。聴いてみたかったよ」


二人の前には、もう人であったものしか無い。それが彼女の血鬼術だからだ。


「…観客が来たみたいだね」

「うふふ、もう貸切になるかしら。ちゃんと聴いていってね」


二人が顔を向けた先には、よく似た二つの影。片方は、にっ、と笑い。片方は不愉快に顔を歪める。


(はく)ちゃんの名前は白ちゃん!こっちは妹の(こく)ちゃんだよ!」


無邪気に笑いながら、白い髪を揺らして白が言う。


「…彩上(あやじょう) 黒。白、こういうのは名字まで教えてあげた方がいいわ…地獄でちゃんと思い出せるように」


眉を(ひそ)めながら、黒い髪を揺らして黒が言う。









「あら、二人だからって勝てる筈無いわ」

「ボクたちは二人で一つなんだ。あいつらみたいな贋者と違って、ボクたちは本物の家族の絆があるんだから」




××××××××××××


煉獄さん、誕生日おめでとうございます!!!!

(カゲプロ)カノ、誕生日おめでとうございます!!!!

第六十話 〈だったら〉→←第五十八話 〈織〉



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夢石榴(プロフ) - 星飼いさん» 久しぶりです。かわいい双子コンビ。書いてて楽しいです。頑張ります (2020年10月25日 20時) (レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)
星飼い(プロフ) - 久しぶりだ―!!嬉しい。やっぱ白黒ちゃん好きだなぁ。頑張って下さい! (2020年10月25日 20時) (レス) id: 95c1335c47 (このIDを非表示/違反報告)
夢石榴(プロフ) - みるくストロベリーさん» ありがとうございます!!面白いと言って頂けて嬉しいです!!頑張ります!! (2020年7月28日 16時) (レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)
みるくストロベリー - とっても面白い!!これからも頑張ってください、応援してます!! (2020年7月28日 6時) (レス) id: 9d5389f299 (このIDを非表示/違反報告)
夢石榴(プロフ) - 星飼いさん» アドバイスありがとうございます。なんか考えてた日々が懐かしい。頑張ります! (2020年6月27日 21時) (レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢石榴 | 作成日時:2020年2月15日 23時

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