第三十五話 〈不安〉 ページ42
少年は綺麗に着地し、炭治郎はてる子を抱きかかえた。
緋音はてる子に向かって、「大丈夫ですか？」と、声をかけた。
震えてはいるが、怪我等は無さそうだ。
猪頭の少年は、楽しそうに笑っている。
「アハハハハ！！いいねいいね、いい投げ技だ！！
人間に投げ飛ばされたのは初めてだぜ！！」
少年が炭治郎にむかって刀を振るった。
「俺の刀は痛いぜ！！
坊ちゃんの使うような刀じゃねぇからよォ。
千切り裂くような切れ味が自慢なのさ」
「やめるんだ！！
そこに鬼がいるんだぞ！！」
「知るか！！」
少年はさも当たり前かのように、斬りかかろうとして来る。
それを阻むように、響凱が鼓を打った。
嫌な予感がした。
緋音が炭治郎の羽織の襟首を掴んだ。
そして、後ろへ跳躍。
その瞬間、爪跡のような…、三本の傷ができた。
「…！！」
「いいねいいね、アハハハハ」
少年は楽しそうだ。この状況で笑えるとは、と、緋音は思う。
順調に攻撃を避けられていた訳だが…。
「うお！」
「わっ！？」
廊下に落ちていく少年に巻き込まれ、緋音も押される形で廊下に落ちた。
思い切り壁に叩きつけられた。
少年が上に乗っているので、上も下も痛い。
「緋音！大丈夫か＿＿」
「か、かまどさ＿＿」
ポン
「あ」
ぴしゃり
障子が閉まり、別の部屋に移動した。
…………。
「ええぇ……」
本日二度目の巻き込まれ事故である。
××××××××××××××××××
「はぁ、はぁ、はっ、はぁっ、はっ」
「…」
「…」
一方、善逸達。
出口が消えた為、外に出ることを一度諦めて、
炭治郎・緋音・てる子、そして、少年＿＿正一の兄を探すことに。
善逸が前を、紅緒が後ろを守ることになった。正一は一般人なので守るために真ん中。
ついでに、善逸が手を引いて歩く。
普通ならば、安心するだろう。
例えば、炭治郎と緋音だったならば。
明るい話題で不安を払拭してくれるだろう。元よりしっかり者で、優しいから。
それは、あくまで例えば、の話だ。
善逸でなければ、の話だ。
現状、不安しか無い。
善逸の方が怯えていて、息はもう、過呼吸なのではないか、と思うほどだ。
むしろ、不安が膨れ上がっていく。
一歩一歩が遅く、出る頃には夜の帳がおりていそうだ。
紅緒は、天を仰いだ。
…天井しか見えなかったが。
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夢石榴(プロフ) - ルイトさん» あれ、ホントだ…。すみません、貼り直します！ご指摘ありがとうございます！ (2020年8月16日 14時) (
レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)
ルイト - イラストが載ってません！ (2020年8月16日 14時) (レス) id: 428de47700 (このIDを非表示/違反報告)
夢石榴(プロフ) - 頑張ります。更新しまくります、とにかく。 (2020年2月16日 8時) (レス) id: e829fc57fc (このIDを非表示/違反報告)
星飼い(プロフ) - 宣伝メッチャありがとう！５０話突破おめでとう！自分もコラボできるように主要キャラさっっさとだすぞ！頑張れ！ (2020年2月15日 16時) (レス) id: 95c1335c47 (このIDを非表示/違反報告)
星飼い(プロフ) - バレンタインですねっ！絶対に許さなぇ。まだ出てきてないキャラまで出してくれるの嬉しい。頑張って下さい！ (2020年2月14日 20時) (レス) id: 95c1335c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢石榴 | 作成日時：2019年12月23日 17時
