その少女、半人半鬼。

第二十一話　〈傀儡の紅血〉 ページ28

場面は変わり。

暗行と緋音が戦っていた。
暗行は劣勢を強いられた。緋音は強かった。



(こんな小娘に、負けてたまるか…！！！)
力が自慢の暗行は、非力な緋音に負けるとは思っていなかった。


少し前までは。


血鬼術 傀儡の紅血(かいらいのべにち)


「！！」

暗行の腕が斬れた。
緋音の“血鬼術”によって。



×××××××××××××××××××××××××××××××××××××××

最初は、暗行が優勢だった。
緋音を傷つけたし、いくら鎖が不規則な動きをしても強靭な体で弾き飛ばした。


状況が変わったのは、緋音の血が廊下に血溜まりになってきた時だった。

「＿このくらいですかね」
「…？」

そう呟いた緋音。

その瞬間、暗行の顔を何かが掠めた。



血の斬撃だった。
刃のような紅い血。


そこから戦況が変わり始め、今に至る。



緋音の血鬼術「傀儡の紅血」。
緋音の血を自在に操れる。硬質化や、応用すれば治癒もできる。
鎖が動くのは血が付着しているから。


「…っその、程度がどうした！！佳くあるような血鬼術だろう！！」


暗行が拳を振りかぶり、緋音に突進していく。

緋音は、黒い刀を暗行に向かって投げた。
暗行は余裕な顔でそれを避ける。


だから気が付かなかったのかもしれない。


暗行の背中に衝撃が走った。

第二十二話　〈緋音対暗行、決着〉→←第二十話　〈紅緒対麗園、決着〉

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