その少女、半人半鬼。

＊ ページ23

「玄弥君、明けましてお目度とう御座います」
「…おう」
「お蕎麦食べましたか？美味しいですよ」
「…そうか」









「玄弥と緋音は仲が良いなぁ」
「アハハ、君は純粋だな」

お年玉を諦めたるり。
年越し蕎麦を食べながら二人の様子を見ていた。

＿緋音がよく笑うようになったのは、同期がよかったからだねぇ〜

いつも不満そうな自分の同期と比べて思った。

＿そのうちあの二人で幸せになってんのかな

自分の同期も、あの二人も。





ふと、騒がしい方向を見てみる。



「あ、師範、蕎麦が落ちてる」
「ヘ？えあ、嘘やろ！？」
「あ〜、拭くものもってきま…あ、お皿落ちたぁ〜」
「割れてるから触るな。怪我をする」
「禰豆子ちゃん、寒くない？こっちの方が暖かいよ」
「う〜」
「おおお！？なんだこれ！細いモンの上に衣のついたアレがあるぞ！！！！」
「あぁ、蕎麦と天麩羅か。熱いから気をつけろよ」





こんなに騒がしいのは久しぶりだった。
いつも鍛練や任務ばかりで、行事なんて忘れかけていたけれど。
言い出してよかった。
皆が楽しそうだ。



また来年は同期の彼奴も呼ぼう。
柱の人達も呼ぼう。もっと楽しくなる筈だ。





また来年も、皆で年を越そう。





「明けましておめでとう。今年もよろしくね」

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