＊part4＊ ページ4
Aをおぶってこいつの家に向かって歩く。
後ろからどうせならお姫様抱っこがいい！！とか聞こえてくるが、そんな恥ずかしいことこんなところで出来るわけがない。
騒いでたAだけど、少しして俺の背中にぺたんと寄り添ってくるもんだから心臓が飛び出るんじゃないかってくらいドキドキする。
お姫様抱っこじゃなくてよかった、絶対俺の顔真っ赤だ。
「モモ、ごめんね？」
「何が？」
「モモに迷惑かけちゃったから……」
「別に、迷惑なんてかけられてないし、俺も言い過ぎたし……ただもうそんな恰好、他の奴の前でするなよな、本当無防備なんだから……」
「……モモが来てくれて、嬉しかったよ」
「っ！あのさA……俺さ……俺……」
「モモ……」
頬を触れる柔らかい感触、それがAの唇と知って、つい手を放しそうになった。
「えへへ、今日の御礼！」
「A」
「私の家ここだからさ！！」
ぴょんと俺の腕から降りると、彼女はとびっきりの笑顔としたをぺろりと出してこっちに振り返った。
「モモが言ってくれるまで私、ずっと待ってるから！またねっ！」
呼び止めようとしたがマンションに足早に入っていってしまい、俺は思わず立ち尽くしてしまい、気づく。
腰が抜けたと言っていたのにあんな風に走れるわけがないことに。
「ああーもうっ、本当Aには敵わないや」
後日
「おはようっ！モモ！ユキ！」
「おはようA、なんだか今日はいつもよりご機嫌だね！」
「んふふー分かる？ 昨日良いことあったんだ！ねぇモモ！！」
「え！？」
「ふぅん、何かあったんだ」
「ちょっ、ちがっ、なんもないし！！」
「嘘―！！モモは私に言わなきゃいけないことがあるんだよねー」
「A！！それは……」
「なに、また言えなかったのモモ」
「あーぁ、早くいってくれないと楽とかナギになびいちゃおうかなぁ」
「それは絶対ダメ……じゃなくて！！」
「だって、モモは私のことなんともおもってないんでしょー」
「モモ、男になりなよ」
「うう……ダーリンが俺の味方をしてくれないなんて……っ！！」
「もーいいよっ、じゃあ楽かナギ誘ってご飯でもいってく」
「待った！！」
「なにモモ？」
くそっ、にやにやしやがって……
「今夜！俺とご飯行きませんか！？」
そういえば俺の大好きな笑顔で「もちろん！」と答えられてしまったからやっぱり、俺はAに敵わない。
end
終わり
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作者名：波瑠 | 作成日時：2019年7月9日 14時
