[Fate]平行世界の姫 (ページ4)

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非道な魔術師と英霊ページ4

目が覚めるとそこは路地裏だった
　
　
　
ゆっくりと体を起こし周りを見る
　
　
　
空は暗いし路地裏だからか人気がない
　
　
　
やっぱり誰もいないか…
　
　
　
それが運がいいのか悪いのかはわからないがゆっくり体を動かし立ち上がりながら今の状況を考える
　
　
　
ここが私がいた世界じゃないことは何となくわかる
　
　
　
お兄ちゃんが願ったのは私が苦しまなくて済む世界
　
　
　
あの世界では私はきっと一生それを叶えることはできないから
　
　
　
とりあえずここがどこなのかを知らなくちゃ…
　
　
　
儀式時の姿のままなので黒いドレスに裸足と言う変な格好だが私は気にせず路地裏を抜けた
　
　
　
　
　
　
建物からして此処は日本じゃないみたい
　
　

大体の国の言葉はお兄ちゃんに貰った本にのってたからわかるけど
　
　
　
お金とかはどうしよう…まずは服と食べ物と住むところを手に入れなきゃだよね
　
　
　
そして居場所を作らなきゃ
　
　
　
　
「お嬢さんちょっといいかな？」
　
　
　
『っ！』
　
　
　
突然後ろから声をかけられ振り向くと痩せ細った男が立っていた
　
　
　
「君、そんな格好でどうしたんだい？もしかして家出かな？」
　
　
　
『え、あ…』
　
　
　
「魔術師って思ったけど違うようだし丁度いいか…」
　
　
　
『っ！』
　
　
　
「魔術師」その言葉を聞いた瞬間私はこの人から逃げるために走り出した
　
　
　
「あ、待ちなさい！！」
　
　
　
あの人は絶対に魔術師だ
　
　
　
さっきの言葉からして私を何かに利用するつもりだと思う
　
　
　
そんなのごめんだし、その所為で私が聖杯だとバレるかもしれない
　
　
　
だから逃げないと！
　

　
「捕まえた」
　
　
　
『なッ』
　
　
　
耳元で聞こえた男の声に驚き思わず足を止めた瞬間頭に衝撃が走り意識を失った