月の少女は口数が少ない その参

111話日輪刀還る ページ16

その後、炭治郎も無事カナヲに勝つことが出来て皆でワイワイと喜んだ。すみちゃんを高い高いするぐらい私も嬉しかった



そんな私達を影でコソコソと見つめる人影が二つ



訓練をサボっていた善逸と伊之助だ。二人が思うことは只一つ



「「(やばい…(汗)」」






翌日、私達がカナヲに勝ったことに焦ったのか善逸と伊之助が全集中の呼吸について聞いてきた



『私教えるの苦手だから教えてあげられない…』



「ア“アー！？んだとォ！？教えろよ！！」



「おいやめろ！！可憐で可愛いAちゃんを殴ろうとするんじゃねえェェ！！」



「落ち着け！大丈夫だ！俺がAの代わりにおしえるから！な？」



炭治郎…私と同じくらい教えるの下手なのに大丈夫なの？



そんな不安は的中する。炭治郎の壊滅的な説明に二人は理解できず落ち込み私は思わず頭を手で押さえた



うん、あれは私達みたいに感覚とかで覚える人じゃないと多分わかんないと思う



どうしようかと皆で悩んでた時しのぶさんが現れた



「炭治郎君とAさんが会得したのは全集中・常中という技です。全集中の呼吸を四六時中やり続けることにより基礎体力が飛躍的に上がります」



「これはまぁ基本の技というか初歩的な技術なのでできて当然ですけれども会得するには相当な努力が必要ですよね」



ちょっと煽るようににこりと笑いながら話すしのぶさんは伊之助の肩をぽんぽん叩き、更に煽る



「“できて当然“ですけれども仕方ないです。しょうがないしょうがない」



「はあ“ーん！？できてやるっつーの当然に！！舐めんじゃねぇよ乳もぎ取るぞコラ！！」



伊之助大奮起



「頑張ってください善逸君！“一番“応援してますよ」



ギュッとしのぶさんが善逸の手を握る。女の子大好きな善逸はそれに顔を真っ赤にして



「ハイッ」



と答えた



善逸大奮起



しのぶさん、二人の扱い方よくわかってるな



そして善逸と伊之助は全集中・常中を九日で会得した



「やってやったぞゴラ”ァ！」



「俺は誰もりも応援された男！！」



しのぶさんは人に教えるのが上手かったのだった

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