月の少女は口数が少ない その参

107話機能回復訓練・後編 ページ12

「『瓢箪を吹く…？』」



お昼になり休憩として私と炭治郎はきよちゃん達が持ってきてくれたおにぎりを食べながら言われた言葉に首を傾げる



「そうです。カナヲさんに稽古をつける時しのぶ様はよく瓢箪を吹かせていました」



「へえーおもしろい訓練だねぇ音が鳴ったりするのかな？」



「いいえ吹いて瓢箪を破裂させていました」



破裂…



「へぇー……(破裂…？)」



さっきまで笑顔でおにぎりを食べていた炭治郎が固まった



「えっこれを？」



コンコン



『普通に硬い…』



「はい、しかもこの瓢箪は特殊ですから通常の瓢箪よりも硬いです」



「」



『』



それを聞いた私達は思わず一瞬無の表情になってしまった



「だんだんと瓢箪を大きくしていくみたいです。今カナヲさんが破裂させているのはこの瓢箪です」



ででーん



「(でっか！！)」



さっきのよりも何倍もある瓢箪を見て冷や汗をかく



これを壊すのか



できるかな…？頑張ろ





炭治郎side



瓢箪のことを聞いてから十五日後、俺とAは屋敷の屋根に座り瞑想をしていた



よしかなり体力が戻ってきた。そして以前よりも走れるし肺も強くなってきたぞ



いい感じだ焦るな…



昼間は走り回って速い動きで肺を酷使してるから今はゆっくり…



「ヒュウウウ…」



ゆっくり深く呼吸して指先まで空気を巡らせる。瞑想は集中力が上がるんだ。鱗滝さんも言ってた。鱗滝さ…うろ…



“よくも折ったな俺の刀を“



…すみません



すごい怒ってるだろうな鋼鐵塚さん。今刀打ち直してもらってるけどほんとに申し訳ないないな…



そういえばAはやけに静かな気が…すごいなそれだけ集中出来てるって…



『……』



コテンッ



ね、寝てる…



でも一応ちゃんと全集中の呼吸は出来てるみたいだ(汗



『……お父さ…』



「…A」



父さんの夢でも見てるのかな



Aは家族の中でも一番のお父さんっ子だったからな…



病で死んでしまった時も本当は大声で泣き喚きたかっただろうに



長女だからか皆を心配させないように声を押し殺しながら泣いてた

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