組合にいる元国民的アイドルはアヴェンジャー

無自覚のシスコン？ ページ23

「A！君の異能力で運転手を止められないのかッ！？」




『無理よ！私達を認識していないどころか私の声が聞こえないんじゃ命令のしようがないッ！！』




ドゴオッ




『きゃあッ！！』




そのまま私達は跳ねられ吹っ飛ばされた







『ん…』




どうやら一瞬だけ気絶してたみたい




ゆっくりと上半身を起こす




ああ…痛いな…




体の所々に傷ができてるし、太股を強く打ったのか腫れている




久し振りに怪我したな…




「おーい、大丈夫？」




ジョンが左腕を抑えながら此方に近づいてきた




『なんとかね…』




それにしてもアイツら…絶ッ対に許さないんだからッ！




「A…凄く恐い顔してるけど…」




『ああ…ごめん』




深呼吸してなんとか気持ちを落ち着かせる




『そう言えばラヴクラフトは？』




「あそこ」




ジョンが指を指した方を見れば首が曲がったラヴクラフトが立っていた




あれで普通に生きてるんだから本当に彼は何者なのかしら




「…驚いた」




コキッ




えっ、首の骨自分で治した！？




「連中は？」




「気配が無い…姿を消して逃げられた」




潤くんの『細雪』か




『それにしても運転手ごと巻き込むなんて正義としてどうなのかな？』




「さあね、妹さん達が助かる為には手段を選ばない感じだったし」




『ジョンと同じ相当なシスコンなのね』




「ええ！？」




あれ？そんなに驚く事かな？




もしかして無自覚？




「これからどうする…？」




「追おう」




キキーッ




パトカー！？




「通報の誘拐犯らしき三人組を発見しました」




どんどん集まってくるパトカーを見てため息を吐く




「事前に通報してあった訳だね」




大人しく私達は手を上げて降参した

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