風と雪【不死川実弥】 (ページ29)

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夫として、父として！ページ29

《Aside》

ほんとうなら、

ほんとうなら、

私も、一緒に戦うはずだった。

風柱と雪柱の二人が組むと最強と言われてた。

二人で、無惨を倒す！！

同い年で、同期で、
同時に柱になった。

最終選別で合格したのは、
実弥と私だけ。

怖い顔してたけど、
怪我をしてた私の左腕に、自分の羽織を引きちぎり、包帯がわりに巻きながら、

『ちっせえ体で、よくやったな！』

って。
その瞬間から、私は実弥が好きになった。

その気持ちを知られたくなくて、
男みたいに、実弥に接してた。

〝ちっせえ同期〟

それだけでよかったんだけど。

やっぱり、無理だったよ。

こうやって、星弥をくれた。

ありがとう、実弥。

鬼殺隊に身を置き、

ましてや、柱の実弥に、

必ず戻ってきてなんて、

言ってしまったこと、

後悔してない。

鬼殺隊の隊士じゃない、
鬼殺隊の柱じゃない、

私の夫、
星弥の父親として、

どうか、ここに

帰ってきて。