POWER PLAY [1]

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* * * SIDE




***｢…｣

チョン･ホソクの様子をドアの小さな窓から
見ていると、少し心苦しくなる

つい昨日までは、"仲間"だったやつだ

***｢Cypherに逆らうからこうなる…｣

だめだ。ちょっと仲良くなったからって
敵になんの感情も抱いてはいけない







俺は最初から…WINGSの"仲間"ではないんだ







その部屋をあとにし、ボスのいる部屋に向かう

コンコン

ﾎﾞｽ｢入れ｣

***｢失礼します｣

ﾎﾞｽ｢どうだ、例のサイコメトラーは?｣

***｢薬の効果はあるようです。今後、服用を習慣づければ、いつでも自由に"見える"ようになる可能性があります｣

ﾎﾞｽ｢そうなれば、やっとサイコメトリー用の能力増幅剤の研究が成功になるな｣

***｢…はい｣

ﾎﾞｽ｢…なんだ、WINGSに情でも移ったか?｣

***｢…まさか｣

俺は…毎日笑顔でいられた、あの生活に…

未練なんかない

ﾎﾞｽ｢そうだよな。もともとお前はCypherだ。それを忘れるな｣

***｢はい｣








ﾎﾞｽ｢次の指令が、何だか分かるな?｣

***｢はい…WINGS全員を、
この基地に連れ込みます｣

ﾎﾞｽ｢よく分かってるな。最悪、他の超能力者は逃げられてもいい。

パク･Aだけは、何があっても捕らえろ｣

パク･A…Cypherは長年、この少女を
必死に探し回っていた

たまたま、俺が潜入してたグループの
キム･ナムジュンがパク･Aを連れてきたことからこの"WINGS捕獲作戦"が始動した

俺もパク･Aとは接したが、
彼女は普通のウォッチャーだ…

なぜ、Cypherの上層部は
こんなにパク･Aにこだわるのか

構成員の一人に過ぎない俺なんかには
その理由は伝えられていない

***｢…｣

ﾎﾞｽ｢理由が気になるか?｣

***｢あれ、ボスってエンパス使いでしたっけ?｣

思っていたことを当てられて、冗談でそう言う
世界政府からCypherを任されたこの人には、
何の能力もないはずだ

ﾎﾞｽ｢はははっ、俺はノーマルだ。…強いて言うなら、今のは勘だ｣

***｢気になりますよ。パク･Aは、特別なんですか?｣

ﾎﾞｽ｢パク･Aは…









ノーマル同士から生まれた、唯一の超能力者だ｣









あ…そう言えば…パク･Aは
両親がノーマルでCypherに所属していたと言った

ﾎﾞｽ｢世の中の超能力者は2パターンしかいない

両親が超能力者か、片親が超能力者か、だ。

ノーマル同士から生まれた超能力者は
世界中で、1例しか報告されていない｣




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