消えた少女はもう一度、関西で頑張っています。 (ページ9)

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出会い頭ページ9

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風雅「なんで風雅も行かなあかんねん…」

西村「だって一人って勇気いるやん？」

風雅「本番中にトイレに抜けるとか見つかったら怒られんで…」

西村「誰もここ通らへんて」

急についてきてなんて言うから、ついて行ったらまさかのトイレやってん……
信じられへん…………

ホンマに見つかったらただじゃ済まないで？こんなん。

西村「あぁー、スッキリしたわ」

風雅「はよ手洗ってや」

西村「分かってますよ～」

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ここ何も音聞こえんから今何の曲やってるかさっぱり分からんし、もしかしたらもう出なきゃあかん時やったりとか不安でしゃあないねん。

それなのに何呑気にしてんねん。
鼻歌まで歌いだして…………

西村「よし急ご！」

風雅「誰のせいやと思ってんねん」

西村「ごめんごめん(笑)」

笑い事ちゃうわ。
はよ行かんと。

急いで戻る途中、角を曲がろうとしたら出会い頭で誰かとぶつかってしもうた。

風雅「わっ！！」

西村「風雅！？」

「いったぁ……………」

風雅「すいません！」

おかげで尻もちつくわ、結構痛いわ、しかも相手は女性やってん。
スタッフさんかも…………………

抜け出したとこバレたとかそんなことよりも謝るのが先やと思って、顔も見ずに、謝ってん。

「こっちこそごめんね～…………痛い」

風雅「ホンマにごめんなさい！前ちゃんと見てへんかった風雅が悪いんです！」

「大丈夫だよ」

その人は頭を痛そうに抑えてしゃがみこんでるから顔が全然見えへんし、声は若いから多分、新人さんやのかな？って………………

西村「僕ら急いでるんで失礼します！」

「次だよね？多分」

西村「えっ？」

「今、室くんと丈橋コンビが歌ってたよ？この次じゃなかったっけ？」

西村「それや！あかん風雅、急ぐで！」

風雅「だなら誰のせいやと思ってんねん」

西村「ほらはよ」

風雅「はよちゃうわ」

すると「待って」と止められてん。
止めたんはぶつかったスタッフさんやった。
風雅の腕を掴んでねん。

そして立ち上がった時、大人の割にはちょいと低い身長やった←失礼

そしてその人は、スタッフさん用の被ってはった帽子を取って風雅たちを見上げた。

そこそこええ顔立ちしてはったけど知らへん顔やった。

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「もしかして私のこと知らない？」

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