消えた少女はもう一度、関西で頑張っています。 (ページ27)

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大晴はリア恋枠ページ27

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数年ぶりの楽しい一日を終えて、それぞれ別れを告げた。
知らなかったな……

なんで辞めちゃったのか……………分からない。

ただ聞いちゃいけない気がして敢えてその事には触れずにいつものように振舞っていたつもりだ。

福本「また1からやな……」

福井「1から？」

福本「せやねん、前まではマイク持たせてもらってカメラも独り占め出来たやん？でもやっぱ現実甘くないって」

福井「そっか…………」

福本「はぁ………また後輩の後ろか」

珍しいな、大晴が弱音吐くなんて。
さっきまですっからかーんとか騒いでたのに………

福井「あっ、せや俺このあと用事あんねん」

福本「そうなん？」

福井「悪いけど抜けるわ！またなA」

『うん、じゃあね』

福本「ちょっ、俺は！？」

そんな大晴を見事にスルーして走り去って行った福井くん。
いや走り方もイケメンだわ。

そして福井くんが見えなくなってからまた歩き出した。

すると何を思ったのか今度は私の手を繋いで大晴が着ているパーカーのポケットにそのまま入れられた。

そのおかげでぐっと距離が縮まるし、繋いでる手は温かかった。

『大晴？』

福本「寒いやろ？手冷たいで」

『ふふ、よく分かったね』

福本「手袋せんで来るのが悪いんや。こんな寒いのに指先真っ赤にして」

『いや手袋ねぇ…』

福本「何、失くしたん？」

『違う、買うの忘れた』

福本「はぁ？(笑)」

するとツボったのか知らないけどめっちゃ笑い出した大晴。
そして「Aらしいな」なんて訳わかんないことまで言った。

『いやあのね、小さい頃に使ってたやつもう入らないから新しいの買おうと思ってたんだけど、毎年忘れちゃってて………』

福本「で、今年も忘れたと…」

『そうそう』

福本「別に買わんでええやろ」

『はっ？』

福本「もうちょいで春やで」

まぁ、そうだけどさ！！！
いやまだねぇ、寒いじゃん？
だから出来れば欲しいんだよ手袋。

するとそんな私に気づいた大晴は、あとな？って言い加えた。

福本「俺がこうやって繋いでたら手袋なんていらんやろ？」

なんてまたもや急な発言に戸惑いを隠せない。
いや本当に大晴どうしちゃったの？

今までそんなこと言ったことないのに………

休んでる間に変な薬でも飲んだのだろうか…………………

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福本「どーしても欲しいんやったら今から買いに行くか？」

『やめとく』

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