消えた少女はもう一度、関西で頑張っています。 (ページ20)

今日:12 hit、昨日:3 hit、合計:356,668 hit

きっと大丈夫ページ20

.

西畑「嘘やろっ……………」

『こんな嘘つかないって………』

西畑「も、もしほんまのことやったとしても………
ありえへん…………」

目の前で同様を隠せていない大吾。
肉が焦げてきたので、私はそれを取って別皿にうつした。

そしてありえへんホンマにってブツブツ呟いている大吾の目からは、涙がポロリ……………

あれ、気づいてないのかな？

泣いてること……………

.

『ごめんね、今まで…』

西畑「べ、別に謝らんでも………っ、そりゃ、休まな………あかんな…………ハハ」

『大吾を泣かすつもりは無かったんだけど………でも』

西畑「えっ？俺泣いてるん？」

『うん………』

自分の頬に手を当ててようやく自分が泣いてることに気づいた大吾は男なのにダサいわって苦笑い。

そして、皿に残っている肉を一枚平らげた。

西畑「そんで………康ちゃんにはこの事…」

『言ってないよ、誰にも…………』

西畑「いつ言うつもりなん？」

『松竹座の時』

西畑「3月の？」

『うん』

西畑「それって…………みんなの前で？」

『もちろん』

西畑「……………そっか」

そう言うと、目を細めて涙を堪えながら微笑んだ大吾。
それが儚くて今にも消えそうだった。

『多分、みんな許してはくれないと思う』

でも、
言わなきゃ…………

あれだけ迷惑かけといて…………嘘までついて休んどいて、本当のことを言わないのは都合が良すぎる。

自分勝手なだけ。

西畑「だいじょーぶ、俺が見守ってる」

『ほんと？』

西畑「ほんと」

『…………康二とも仲直り出来るかな』

西畑「仲直りって…………康ちゃんが一方的に怒ってるだけやろ？Aは何も悪くないで」

『いや私のせいだからちゃんと仲直りしなきゃ』

そう言って気持ちを引き締めると、
Aらしいなって、今度はちゃんといつもの大吾のまま笑ってくれた。

.