消えた少女はもう一度、関西で頑張っています。 (ページ17)

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最も恐れていたことページ17

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何も言わずに私の手を引いて、どんどん奥へと進んでいく康二。
やがてまわりには誰もいなくなっていて、気づいたら、非常階段の踊り場に来ていた。

その瞬間、康二は足を止めてこっちを向いたかと思うと……………………………

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バチン！！！！！！

何かが割れたような音が聞こえた。
それと同時に私の頬に鋭い痛みが走った。

それがあまりの痛さと勢いだったので思わず、倒れ込んでしまった。

『いったい………………っ』

見上げると、冷たい表情で私を見下ろす康二がいて、
その目は色を無くしていた。
そして私の前に屈んだかと思うと、思いっきり胸ぐらを掴まれた。

向井「ええ加減にせえよ……………」

すっかり大人になっていた康二は、かっこよさが増した同時に、恐怖そのものに変わっていた。

向井「なんで今更戻って来てんねん………
遅いわ…………遅すぎや」

『ご、ごめん……』

向井「謝ればええって問題ちゃうからな………お前がいない間俺がどんな気持ちでおったか、分からんくせに…」

『それはっ…………』

向井「俺は許さへんで……………お前のことなんか！！
一生許さへんで！！！！」

そう言って私を突き飛ばした。
見たこと無かった………
こんな康二………

だから何も言えなかった………………

謝るしか無かった……

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向井「流星の気持ちもよう分かっとらんやろ……
みんな消えてくねんで………みんな消えることなんて誰も望んでへん………」

向井「一度消えたら戻ってこれへんのがジャニーズや…やのになんでお前は散々待たせといてひょこひょこ戻って来やがって……………」

康二の言ってることは全て正しいし、
分かってはいたけど改めて言われると胸が痛む。

これが怖かった…………

私が一番怖かったのは、これだった。

誰かにこんな風に言われて、突き放されるのが…………………

一番の恐怖だった…………

予想外だったのはその相手が康二だったということ。
同期で一番長い付き合いがあって、
かつては同じグループとして活動して仕事して苦楽を共に経験してきた、康二に言われたのがショックだった。

康二だけは……………

康二だけは言わないと思ってたから…………

私を突き放したりしないって信じてたから……………

なのに………………

向井「俺と関わらんといてや……」

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