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鬼殺隊の長であり、御館様と呼ばれ慕われる方の御内儀である産屋敷あまね。
彼女は今日も今日とて娘を二人引連れ、始まりの呼吸の子孫の双子の元を訪れる。
しかし、彼女達が見たものは壮絶な光景だった。
家は傷だらけでボロボロ、戸は壊され木の破片がその場に散らばっている。そして全てが血濡れていて、赤黒く染まっていた。
青ざめたあまね様はすぐさま家の中に入っていく。
そこにあったのは。
想像を絶する酸鼻を極めたものだった。
少年少女が三人、皆で手を繋ぎ合わせ血に染まりながら倒れていたのだ。もう既に蛆が湧き始めている惨い光景だった。
あまね様は血相を変えてすぐさま脈を確認する。
双子の兄であった少年は既に息絶えていた。
双子の弟である少年、そして双子の幼馴染である少女は何とか息をしていたものの非常に危険な状態な状態。あと数刻遅かったら確実に息をしていなかった。
あまね様は娘達に急いで指示を出し、虫の息だが何とかまだ息のある二人の応急処置に取り掛かった。
鎹鴉にすぐに医者を連れてくるように頼んで!と叫ぶと、鎹鴉は主の言うことを聞くべく蒼天に飛び立って行った。
あまね様は医者が来るまでこの小さな命の灯火を繋がねば、と着物や手が汚れることも気にせずただひたすらに処置を施した。
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白霞(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまい申し訳ありません。複数回読んで頂けたのですね…!感謝の限りでございます。そんな風に言ってくださりありがとうございます。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年9月15日 7時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり四つ葉 - 何回でも見に来て涙腺崩壊させられてます。しかも作者様一人一人に返信までしてくださっていて…!作者様の良い人が滲み出ている…なんというか、はい、土下座したいくらい素晴らしい作品でした。このお話、ずっとずっと語り継がれていたらいいなぁ… (2020年9月2日 22時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - シバさん» コメントありがとうございます。そのように言って頂けて光栄の極みでございます。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月30日 21時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
シバ - あれ……………目の前がぼやけてきたぞ…… (2020年8月30日 11時) (レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます。そのように言って頂けて感謝の限りです。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月21日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白霞 | 作成日時:2020年6月20日 20時