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それから俺は無一郎と口を効かなくなった。
元々両親が死んでから口数が減っていたけれど、本当に何も話さなくなった。
それと比例してAも俺達の家に訪れる回数が減ってしまった。どうやら爺ちゃんがとある病を患ってしまったらしく、付きっきりで看病しているらしい。
無一郎は時々爺ちゃんの見舞いに行っているようだったけれど俺は一度も行かなかった。行けなかった。
あんなことを言ってしまった手前、Aと合わせる顔がなかった。
好きなのに、大切なのに。あんな心無い言葉を何故ぶつけてしまったのだろう。感情任せにしても良いものと悪いものがある。
自分自身が許せなかった。
そして相も変わらずあの女は律儀に俺達の家に通い続ける。一度痺れを切らして思いっきり水をぶっかけてやったことがある。
その時は無一郎が怒り狂い喧嘩をした。でもあの日以降、一切の会話はなかった。
毎日毎日向かい合って一言も発さずに飯を食い、背を向け合って眠る。そんな生活が続いていた。
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「お爺ちゃんが、死んだの。」
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白霞(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまい申し訳ありません。複数回読んで頂けたのですね…!感謝の限りでございます。そんな風に言ってくださりありがとうございます。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年9月15日 7時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり四つ葉 - 何回でも見に来て涙腺崩壊させられてます。しかも作者様一人一人に返信までしてくださっていて…!作者様の良い人が滲み出ている…なんというか、はい、土下座したいくらい素晴らしい作品でした。このお話、ずっとずっと語り継がれていたらいいなぁ… (2020年9月2日 22時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - シバさん» コメントありがとうございます。そのように言って頂けて光栄の極みでございます。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月30日 21時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
シバ - あれ……………目の前がぼやけてきたぞ…… (2020年8月30日 11時) (レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます。そのように言って頂けて感謝の限りです。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月21日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白霞 | 作成日時:2020年6月20日 20時