恋とか愛とか。 (ページ18)

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毎日の幸せとは。【紫】ページ18

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『一緒にお風呂は入りません！』

こうして今叫んでいるのは同棲中の彼女。

「なーんで！」
『辰哉くん潔癖だ何だ言ってるくせに！』
「それとこれとは話が別だろ！」

平和な言い争い。これが結構な頻度で行われる。
最終的に折れるのは俺で。

『私先入るから！ばーか！』
「あ！てめ..！」

逃げる様にパジャマを持って風呂場にダッシュする彼女の
後姿を見て俺は良い事を思い付いた。

「突撃してやる..」

彼女がシャワーを浴びている最中にバレ無い様に
脱衣所の外で服を脱いで、下着だけになった時
風呂場の扉を引くと

「あれ。」

鍵がきっちりと掛けられていた。

扉を引いた音に吃驚するどころか浴室からは
笑い声が聞こえてきて

『お見通しです。』と一言。

「狡いぞ、A。入れろよ。」
『やだ、恥ずかしい。』
「お前の裸なんて見慣れて..『うるさいな！』

多分今は湯船に浸かって顔を赤くしてる所だろう。
反抗的な彼女にも可愛い所は沢山あって、
まず、脱衣所に置いてある入浴剤の袋が乳白色になるもの。
丁寧に俺の下着類が彼女の物と一緒に並んでいるという事。

つまりは、

『..今日だけだから。』

と彼女の声が聞こえた途端に鍵が開く音がした。
ほら、やっぱり俺の考えは当たってた。

嬉しさのあまり急いで下着まで脱いで、でも
ちゃんと腰にタオルは巻いて浴室に入った。

鎖骨下まで湯に浸っていて、少し火照った顔は
とても色っぽい。そんな彼女に

「かあいい、俺の為にその色の入浴剤なんでしょ。」
『辰哉くんこそタオル巻いてて可愛い。』
「今すぐ取っても良いよ。」
『結構です。』

こんなやり取りをしつつ他愛もない話をして
俺は体の汚れを落とした。
そして念願の彼女の隣へ足を踏み入れる。

『でもそろそろ私出たい。』
「もっと熱くなる事する？」
『バカなの..？』

本当に変な物を見る瞳で俺を見つめる彼女は俺に容赦ない。
しまいには顔を見てケタケタと笑う羽目。

「顔見て笑うなよ。」
『いや、好きだなって。』

珍しく素直に想いを告げてくれる彼女に言葉を失ってしまった俺。

『あ、辰哉くん照れた。』
「うるせ、手出すぞ。」
『ＤＶ？』
「そっちじゃねえ！」

こうして幸福の風呂を二人で過ごし、
沢山笑った後は二人で浴室を出た。のに、

『あっち向いてて。』
「だから裸は、『いいから！』

まあこんな感じで服を着替え、一緒にスキンケア。

『今日も幸せでした。』

鏡越しに微笑みながら言う彼女はやっぱり俺のものだ。

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