恋愛の仕方は自由。

苦い。【Ki】 ページ4

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夏、世の学生は皆夏休みの時期だろう。
だが俺にはもう一ヶ月以上の夏休み等は来ない。
なぜならば、三十過ぎてっから！
こう見えても三十越えてんのよ。三十路なわけ。独身だけど。

彼女は居ないけど好きピ♡は居る。(現代風)
その子はニカの彼女なんだぜ？ヤバくね？
でもちょっとだけ妄想させてよ、ここで。

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『ひろ、起きなさい。』

久し振りの休日、ここ数週間撮影が詰まっていて終日休みな日がなかった。
その事をAに連絡すると、私も休み！って言う電話が秒で来た。

「彼氏はいいのかよ。」
内心ニヤニヤしながら、格好つけて平然と聞くと
『たかくんは仕事で居ないから大丈夫、それよりも久し振りだねぇ。』
不覚にも喜んでしまった。前日泊まらせて夜まで居れるんじゃね、とか思って。

「前の日、仕事終わったら迎え行くから泊まれば？」
さっきよりも格好つけたら、
『何ー、ちょっとキュンとしちゃったじゃん。』
電話越しでもわかる照れた時の笑い方。

手に入らねぇ、そういう事だけの関係ってこんなにも苦しいんだな。
ニヤついてた顔も無理に絞り出す笑みと明るい声に変わった俺。

それからAは、じゃあ泊まらせて貰うね。って言い残して切った。

「..ニカ何てやめて俺に、」
「って何考えてんだ、まじで。」
Aとの繋がりが切れた機械を握り締めて呟いた。空笑いと一緒に。

そうして今、約束の日になって。
夜、仕事終わりにA拾って俺の家へ。
飯作ってくれて一緒に酒呑んで。風呂は別、ってしつこいから別々。
酒に酔ったAは一段と可愛かった。
ベッドで散々嫉妬心やら独占欲やらぶつけて、遊戯の時間。
終わった途端俺の腕の中にすっぽり収まって寝息を立てたA。

「好きだ。俺んとこおいで、幸せにすっから。」
気持ちよさそうに眠る君に告げる言葉は、丸で壁のない世界みたい。

朝、先に起きたからって少し威張りながら起こすA。

「お前が困るような事言っていい？」
起こし方も全て愛おしくて、こう聞いたときもきょとんとしていた。

俺はこの関係が終わったとしても後悔ないよ。

意を決して告げた言葉に、君は。

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いやいやバットエンド過ぎない？
もうこれ以上はギブアップ。
やっぱ、浮気はダメだわ。誰も幸せになんねぇな。

俺は静かにAを見守ってるよ。

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でも、いつでも引き取る準備は出来てっから。
この言葉もAには届かないんだけど、ずっと想ってんよ。

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愛しい。【M】→←年上。【S】

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