バカにしてくるけど包容力の塊。【青】 ページ7
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私は今、ライブスタッフとして働いている。
今日はしっくすすとーんず？って読むグループの単独公演らしい。
お客様も皆可愛く綺麗にして会場に入って来る。
まさに恋してる女の子って感じで見ていて微笑ましくなる。
開演1時間前、楽屋前等が騒がしくなる頃。
上司と演者さんの行動について再確認。
私の役割は飲み物を渡したりする雑用であり大切なタイミングが必要な役。
実は今回が初めての仕事場で役割で非常に緊張中。
手の平に人の字何回も書いて何回も飲み込んだ。
「緊張してます？Aさん。」
背後から聞こえた少しこもった声で、でも聞きやすい男性の声。
ハッとして振り向くとピンク色の髪。
『いえ、大丈夫です。』
「本当ですか？何回も人の字食べてるの見えたのに。」
私を揶揄うように笑って来る、ピンク髪。
マイクのネームプレートに「田中樹」と記されているのが見えた。
『見てたんですか！？シャワー覗かれた感覚..』
「え、そんなに！？」
本当に目を開いて田中さんは驚くもんだから笑ってしまう。
緊張もさっきより解けたみたい。
「笑ってる方が良いです、一緒に頑張りましょう。」
そう言って私の頭をポンと撫でた。
『..はい、ありがとうございます。』
男性経験があまりない私は固まってしまい、必死に礼を告げた。
満足そうにその場を後にした田中さん。一体何者なんだと悩ませる。
開演5分前。
円陣の声が聞こえて来た。舞台の裏に移動するとファンの方の声も。
感激して目をキラキラさせていると、田中さんの声。
「行ってきます。」
手の平を私の目の前に出してくる。
『いってらっしゃい！』
出された手の平に自分の手を重ねて、パンッと音を出す。
田中さんが舞台に出て気づいた、私は自然と笑顔で会話してた事に。
裏で演者さんの事を支えて、出来る限りの事をした。
先輩に教えて貰った通りに動けたし送り出す事も出来た。
無事、公演を終えた。
正直な感想は楽しかったの一言に尽きる。
グループの皆さんが綺麗な汗を流して戻って来た。
とても楽しそうで燃え上がった笑顔。
拍手で迎えると皆さんが「お疲れ様です、」とお礼を個々で述べる。
『良い日だ、』
と呟きながらその光景を見ていると、
「本当だよね〜」
って呑気な声。正体はもちろん田中さん。
田中さんに気づくと体がびくっとなって姿勢を正した。
「Aさん」
『あ、はい！』
「連絡先教えてよ。」
『..はい？』
彼との時間はこれで終わりじゃなかったみたいです。
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別れても忘れさせない程の魅力。【青】→←期待と好きしか増させない彼。【緑】
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作者名：Rabiy. | 作成日時：2020年8月5日 2時
