ギャップとベタな彼。【黒】 ページ26
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“今から北斗の家行くね！電車で。”
とメッセージを送った。
“電車は危ないから俺が迎えに行く、大人しくしてて。”
と返って来た。
彼は妙に心配性で過保護。
テレビ等ではクールキャラな部分がある、
冷たい感じもするけれど私の前では甘い恋人になる。
このメッセージが来てから約15分後。
家はそう近くないのにも関わらず車を出して来てくれた。
安定の後部座席に乗り込むと
「ごめんな、隣に座らせてやれなくて。」
毎度のように謝罪の言葉が入る。
私はそんなに気にしてないと伝えても申し訳ない顔をして。
彼の家に着くと先程まで夕焼けが照らして居たのに
今は月明りが照らして居て、
部屋にお邪魔したらすぐにベランダに向かった。
空を眺めていると何だか落ち着く。
彼の香りがする場所だと尚更幸福感を得られる。
『北斗、今日は満月だね。』
「んー？そうなの？」
飲み物の準備をしてくれている彼には
まだ綺麗な月は見れていない。
だからベランダから出て彼の元へ近寄って
後ろから抱き着いてみる。
包容力のある彼は、
「なーに、今日は随分と積極的で。」
『久し振りに会えて嬉しいだけです。』
お揃いで買ってくれてたマグカップを両手に持って
私は抱き着いたままソファに移動。
『北斗元気だった？私は元気だった！』
「俺がAも元気だった？って聞く前に自分から言うスタイルね。」
「元気だったよ、早くAに会いたくてそわそわしてた。」
『北斗ちゃん可愛い〜。』
「うるせぇな、ほら。月綺麗なんだろ？」
こう言いながらも顔はにやけていて、
可愛らしくも格好良い彼は私の自慢。
『綺麗だから写真撮る。』
「最新機種は月も綺麗に撮れるからいいじゃん。」
『北斗も替えなよ、お揃いにしよ。』
「そんなベタなのは嫌。」
こんな会話をしながらも体はベランダへと向かって、
二人共携帯片手に話していた。
ベランダの鍵を開けて外に出ると
昼間とは違い生暖かい風になっていて
丁度いいくらいの気温。
二人で空を見上げて、携帯を上に向ける。
『綺麗〜、ってやつでしょ。』
「それ樹とジェシーのな。」
ツッコミは流石ですね、と笑いながら未だ眺めていて。
シャッターを押して写真を撮り隣の彼を見る。
その横顔があまりにも綺麗でついカメラを向け撮ってしまった。
「何撮ってんだよ。」と照れくさそうに笑いながら私を見て、
「月が綺麗ですね。」何て呟くんだ。
『..ベタなのは嫌なんじゃないの。』
「..うるせぇな。」
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優し過ぎる彼にはご注意を。【黄】→←珍しい姿に胸を高鳴らせる。【緑】
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作者名：Rabiy. | 作成日時：2020年8月5日 2時
