拭いきれない不安など、【緑】 ページ18
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夜、彼女から急な連絡が入った。
俺たちは頻繁に連絡を取る方ではなくて週に3〜4。
それでお互い満足していたし、会える日もその程度。
俺的にはもう少し会いたかったりもするけれど。
〜♪
「はいよー、こちら慎太郎。」
『久し振りだねぇ。』
「珍しいじゃん、Aからなんて。」
『うん、声聞きたくなっちゃって。忙しかった？』
仕事や体調の心配を一番心配してくれる彼女。
「昨日も電話して夜少し会ったのに、」
『それでも！寂しいと..いうか。』
「なーに、可愛いなあ。会いたくなっちまう。」
『..私は会いたい、こんな頻繁に会いたくなる人なんて初めて。』
『だから正直戸惑ってる、迷惑でないか、とか。』
声色から分かる程に彼女は不安に満ちていて
何の心配も要らないのに。
俺はそれ以上に彼女にハマっていて好きだ。
この気持ちを言葉にするのはむず痒い。
「A。」
『ん、なに。』
「好きだよ。凄く。俺ももうA不足。」
『..気遣わなくてもいいよ。』
「そんなん今更遣う訳ないじゃん。」
「前々から思ってた、もう少し会う頻度増やせないかなって。」
こう言葉にするのは恥ずかしい、声も少し上げ気味になる。
冗談っぽくいつものようにおちゃらけては居るが彼女には
伝わったようで先程までの声色より明るくなり笑っている。
『慎太郎、照れてるの？』
「そりゃ、ね？言い慣れてないのもんで。」
『嘘、今まで何人の可愛い子に言って来たの！』
「んーっとね、っておい！言ってねぇよ！」
互いに冗談を言い合い笑い合えたなら幸せ。
きっと拭いきれない不安なんて幾度となくあると思う。
だからこの先もこうして解決していきたいな。
不器用な俺だけど懸命に頑張るからさ。
『ねえ、明日は遅くまでお仕事？』
「そうだな、多分遅くなる。Aは？」
『私はいつも通りの定時。』
「そっか、また仕事終わったら連絡頂戴ね。俺もするから。」
『勿論、何かこれって同棲してる人達がしてる連絡みたい。』
クスクス笑って『だから日課になってるのが嬉しいの。』
何て言うんだ。反則だよね。
「なあ、今すぐ会いたい。」
『いや、え、明日もお仕事でしょう。それに。』
「もう21時だし、って？でも俺のこの想いは止まりそうにないよ。」
「Aが足りねぇの、触れたい。」
『もう慎太郎はいつも急なんだから。』
そんな事を言う彼女もきっとその気になっている。
会話を繰り広げている中でもう既に用意はしていて。
「待っててね、」と電話を切った。
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彼の帰る場所は決まって居る。【赤】→←さよならは上手く言えない、【黒】
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作者名：Rabiy. | 作成日時：2020年8月5日 2時
