育む。 (ページ15)

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赤い薔薇のロマンチスト。【赤】ページ15

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彼と付き合い始めてもうすぐ2年。会えてない期間は1ヶ月。
そろそろ会いたい、私は聞き分けの良い女で居たいが為に
彼の前では良い子を演じ続けていた。でも疲れたな。

「今日記念日ですよー..私達もう2年も一緒に居るんだよ。」
とか画面に映る彼に言ってもしょうがない。
彼は忙しい人。やっとデビュー出来てテレビに引っ張りだこ。

本当は連絡も豆な人だった、でも突然疎かになってきて。
他に良い人でも出来たのかと思ってしまう。
そう深く思えば思う程携帯を握り締める手に力が入るから。

ピンポン、と突然鳴り響くインターホン。
時刻は23時半。流石に怖いなと思いながら画面を覗きに。
すると赤い花束だけが映し出されていて、すぐに彼だと思った。

駆け足で向かった玄関。鍵もすぐに開けて扉を開いた。
『A、会いたかった。』
そう言って玄関に入るなり花束片手に抱き締められる。
久しく感じていなかった彼の香りに包まれて、つい涙ぐんだ。

「私も、会いたくて仕方がなかった。」
『ごめん、ろくに連絡も返せなくて。』
「前までは頻繁に返していてくれたから少し心配になったよ。」
『事務所にバレそうになっててさ、ごめんね。』

赤髪から黒髪に変わっていて更に子供っぽくなった。
申し訳なさそうに、耳がついていたらペタンと下がる勢いで。

「でも記念日にジェシーくんに会えて全部吹っ飛んだ！」
『..本当に？』
「本当！覚えててくれたんでしょう？記念日。」
『勿論だよ！だから、ほらこれ。』

と差し出された赤い薔薇の花束。

「ありがとう、嬉しい。」
『101本の意味は知ってる？』

そう言いながら涙を流してしまった私の頬に手を添え、
拭いながら問い掛けられる。

「..わかんない。」
『じゃあ教えてあげるね、』

＿＿＿＿＿ .. 『最高に愛してる。』

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