育む。 (ページ13)

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大きな心で包み込んでくれる愛で。【桃】ページ13

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もうすぐ本格的に夏。
今年は海等には行けそうにないけど、体型を気にする季節に。

『ねぇ、大我さん。』
「はいよ、何でしょう。」

『私太ったよね、ダイエットしようと思う。』

彼の瞳をしっかりと見て真剣な表情で言った。

「え、そう？ガリガリより今の方がいいじゃん。」
『大我は痩せてて丁度良い感じだから言えるんだよ！』
「俺は幼児体型だからな、油断してるとすぐに太るよ。」

そう言ってソファに座り、横向きに彼を見ながら訴えていると
頭をポンポンと撫でられた。ふふ、と笑いながら。

何故か不服な気分、このままだと断念しそうだから。

『私、あと5キロ痩せないと一緒にお風呂入らない。』
「..え！？嘘じゃん、嘘だって言って！」
『本気！本気と書いてマジだよ！』

耳でも生えてるのかという勢いでしゅんと背を曲げる彼。
こんなにもしょげるとは思ってもなかったので自分でも驚き。

「わかった。じゃあ一緒にしよう。」
「俺もこれ以上太ったらマネジャーさんに怒られるから。」

決意の固めた表情をして体をこちらに傾かせて言って来た。

『本当！？大我となら私頑張れそうだよ！』
「俺もAとなら頑張れそう！」

今世紀最大のバカップルなんかな、何て思いながらも
私の意見ややりたい事を飲み込んでくれる優しい彼には感謝している。

例えば、彼は芸能人だけど「公園のブランコを一緒にしたい。」
と言った時にはマスクと帽子だけの変装をして夜の公園で遊んでくれた。

いつもわがまま言ってごめん、と伝えた時には、
「それ以外で我慢させてる事が沢山だから、こんなの全然。」
だと言って包み込んでくれる。

だからつい今回も甘えて言ってしまった。

「明日から腹筋30回を2セットと、～」
『三日坊主にならないようにしようね。』

こんな会話も幸せ、今は私の家で半同棲のようなものだけど
いつかは本当に同棲をしてずっと一緒に居たいな。

そう思い、この日は眠りについた。勿論ふたりで。

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翌日の夜。

「ああー！もう無理！」
『ああー！俺も無理！」

その次の日、ふたり共筋肉痛になり断念。

しっかりと三日坊主。というより一日坊主。

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