町山交番の天使 ３ 【ハコヅメ】

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「いやー！！痛い！！やめて！」


「いい加減にしろ、テメェこら！！おい！」


「誰か！助けて！殺 される！」


『あ、アレって…』


藤「うん…」


伊賀崎「常連さん？」


藤「この間、交番に来た田村ご夫婦です。」


これは、聖子さんに奥さんの方頼んだ方がいいかな


『聖子さん、奥さんの方頼みます。…旦那さん、一旦離れましょうか』


伊賀崎「ちょ、離れましょ…」


「お巡りさん！今度こそDVよ！こいつ捕まえて！！」


「何言ってんだ！！こいつが俺の金、また勝手に使ったんですよ！！」


伊賀崎「一緒に交番行きましょ、ねっ」


「こいつ刑務所に入れて！！！」


前よりヒステリックになってる気がする…


「何が刑務所だ！！お前が行け！この泥棒が！！」


『はいはい、落ち着いてください！！』


伊賀崎「旦那さん、飲んでます？」


藤「ハコ長。ハコ長」


伊賀崎「ん？」


奥さんの手元…？


……！


「もう…ちょっと！！早く何とかしてよ！」


藤「ハコ長。単なる夫婦喧嘩です。署に帰りましょう」


この隙に、奥さんに近づいて…


『奥さん。こんなの持ってちゃダメですよ？』


ナイフを取り上げる。


ですよね、聖子さん


『一緒に署に来てもらえますか？』


・


伊賀崎「分かりました。ご苦労様です。…刑事課から。奥さん、本気で刺す気はなかったって。でも、銃刀法違反だからね」


藤「そうですね」


伊賀崎「いやぁしかし、旦那さんに気を取られすぎて、藤君のアイコンタクトに気づかなかった。ごめんね」


藤「いえ。Aが気づいてくれたので良かったです。」


伊賀崎「真白君、よく気づいたね」


『いえ、聖子さんがハコ長の名前呼んでくれたから、気づいたんです。…それに、川合の方が』


私よりずっと早く、気づいてたと思う



・



源「あ、いたいた。聖子ちゃん、Aちゃん！明日、休みだよね」


藤「うん」


『どうしたんですか？』


源「アレ、聞いた？」


藤「何を？」


源「山田の件」


『山田？』


ついに何かやらかしたのか、あいつ…


源「あいつ、捜一から異動になるかもしれないんだって」


『山田が異動…』


源「この後、みんなで飲み行くんだけどさ、一緒に行かない？」


「『…あぁ』」


源「行こうよ！元ペア長の聖子ちゃんと、大好きな恋人のAちゃんが来てくれたら、山田もきっと喜ぶから。ねっ。奢る！全部奢る！出す！全部出す！だから、お願い！」

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