町山交番の天使 ２ 【ハコヅメ】

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鈴木「準備できました。」


源「さぁ、早速だけど、早見君。改めてね、話を色々聞かせてほしいんだ。」


「はい。」


源「あの人形が被害に遭った女の子で、あの刑事さんが犯人だと仮定して、君が見た状況を改めて教えてくれるかな。」


「えっと…下校してたら裏路地にカップルがいて、そのまま通り過ぎたんです。」


源「その時、二人、どんな状態だった？」


「男の人が女の人を、後ろから抱き締めてる感じで…。」


え…


彩菜さん、そんなこと言ってなかった…


山田「こんな感じ？」


「はい…。ただ、通り過ぎた後、男の人結構年行ってたなとか、女の子制服着てたなとか、色々考えちゃって。だから、確認しようと思って引き返したら…。男が振り返った時、一瞬、目が合ったんですけど、すぐ逃げて行って…。そしたら、女の人は男と別の方向に走って行ったんです。」


源「う〜ん、そっか…。その時の男と女の子の状態って覚えてる？」


「確か…右手は口元で左手はスカートの方です。…いや、そっちじゃなくて」


スカートの後ろじゃなくて、前側…。


胸を触られただけじゃない…


源「なるほどねぇ。うん、ありがとね。」


「すみません。通り過ぎなければ、良かったんですけど。」


源「いやいや。声かけただけでも偉いと思うよ。普通は怖いし、見て見ぬふりする人も大勢いると思う。」


牧高「何回も聞いてごめんなさい。目が合ったって言ってたけど、相手の顔はやっぱり覚えてない？」


「一瞬だったんで…ただ、今、話してたら何となく思い出して来たような。」


牧高「ホントに？」


源「おっ、似顔絵。」


鈴木「すぐ準備します」


牧高「こちらです」


私のせいだ…



・


藤「係長。申し訳ありませんでした。」


『申し訳ありませんでした。』


川合「申し訳ありませんでした。」


源「いや、自分の判断ミスです。すみませんでした。」


『…いや。全て、私の責任です。川合を聴取に行かせたのは、私です。』


藤「いいえ。全ては、指導係である私の指導不足です。」


『聖子さん…』


藤さん…そんなこと…


北条「分かった。上には報告しておく。」


『…っ』


山田「…！」


藤「川合。A。おいで」

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