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私に触ってきた
あの気持ちの悪い巨体を
ぶっ潰したあと、
私達はガンガンとEDMが響く
クラブへと入った。
「キムテヒョンの目撃情報があったのは２週間前、
VIPルームにそれらしき人物が向かう様子を、
この店によく来ている女性客が見たと」
私の耳元で情報を囁きながら、
ジョングクは
ドンドンと心臓に響くほど
大きな音で流れる音楽に身を任せて
踊り続ける若者のあいだを上手にすり抜けていく。
「VIPルームね、
もしかしたらそこでミンユンギと
接触していた可能性もあるわ
行きましょう」
ミラーボールの明かりのせいでよく見えないが、
奥にあるあの扉がきっとVIPルームだろう
人をかき分けながら進んでいく。
それにしても、人が多い。
……嫌だ。
「ヌナはこういうとこ来ます？」
「私、人混み嫌いなのよね
ジョングクは？」
「俺は、大学の頃、けっこう」
ちょっと恥ずかしそうな顔をしながら
ジョングクは言う。
だから、このうるさい音楽と
人混みにもさほど迷惑そうな顔をせず、
自然に歩けているのか。
「大学生のジョングク君は
遊んでばっかだったの？」
ちょっと挑発したような顔でいうと、
ジョングクは片眉を軽くあげながら、
「まぁ、俺モテてましたから」
「うーわ、自分で言っちゃうのね
「言っときますけど、」
そう言いながら、ジョングクは私の腕を掴み
自分の体の方に引き寄せた。
「俺のこと全く眼中にないの、
本当にヌナぐらいですよ。
俺がこんなに好きって言ってるのに、
微塵も俺に興味を示さない」
ジョングクの手が私の腰に置かれる。
「ちっとも俺のこと好きじゃないでしょ、ヌナ」
その顔は、まるで
捨てられた犬みたいで。
かわいい。
私は少し背伸びをして、
ジョングクの頬にキスをした。
「私、興味もない男にはこんな事しないわよ」
「…………反則」
「ふふっ」
すると、急にジョングクの目付きが変わった。
まるで、狼のような鋭い瞳。
「……どうしたの？」
「…………変な気配がする」
「変な気配？」
この人混みの中、
彼はなにを察知したというのだ。
ジョングクは私を
もっと自分の方に引き寄せながら、
周囲を見渡した。
「…………誰かが、近くにいる」
私も彼と同様、あたりを見渡す。
酒に酔って踊り狂う若者たちと、
その周りをとりかこむスーツ姿の男。
響くEDMの音が、
よりいっそうクリアに聞こえたような気がした。
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LILY(プロフ) - カナタさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます、続編の方も宜しくお願いします！！ (2019年4月10日 18時) (
レス) id: b26dd03b84 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ぼくさん» ありがとうございます、続編の方で更新がんばります！！ (2019年4月10日 18時) (レス) id: b26dd03b84 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめまして！凄く面白いです！話の内容がしっかりしていて夢中で読みました！読んでる最中もドキドキが止まりません！続きが待ち遠しいです^^ 更新お待ちしてます！ (2019年4月10日 14時) (レス) id: 0d504a4dae (このIDを非表示/違反報告)
ぼく(プロフ) - 素敵な作品アリガトウございます、とても惹き込まれるお話なので、ぜひまた更新していただけたら嬉しいです！ (2019年4月8日 19時) (レス) id: 3804fd5d86 (このIDを非表示/違反報告)
しゃりり - 凄い続きが楽しみです！更新頑張ってください!!!待ってます！ (2018年12月28日 0時) (レス) id: 211b9b7947 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LILY
| 作成日時：2018年6月10日 18時
