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「なるほどね
急に触れるようにはなったけど
他人からはまだ見えないわけだ」
「そういうことになるね」
「でも、これは結構やれることが増えたぞ」
「というと？」
「お前の下着とか、盗める」
ガンっ、とジョングクの膝の後ろに蹴りを入れると
見事にヒットした。
蹴れるというのは案外気持ちのいいことだ。
「痛っ……！何、お前殺す気？」
「だからもう既に死んでるんだって」
「気分的な問題で殺す気？」
「ちょっと何言ってるか分かんない」
遊園地の帰り道。
「どうせ触れるんなら手を繋いで帰らせてくれ」
と、切実にお願いしてきたジョングク(こんなにイケメンなのにやってること完全モテない根暗男子)に
渋々OKを出し、
手を繋ぎながらゆっくりと家へと向かっていた。
「やーでも、嬉しいな
触れるってすげー嬉しい」
「そーいうもんなのね」
「お前に触れたくても触れられなかった
あのジレンマ。
わかる？俺の気持ち」
「あんまりわかりたくない」
「お前ってさ、案外塩だよね」
「最近、塩顔が人気あるんだよ」
「顔は塩じゃないわ
どちらかと言うと、みりん」
「みりん顔ってなにごと」
どうでもいい話をしながら帰っていると
空の赤みがどんどん増してきた。
「夕焼け綺麗だなー」
「ね、綺麗」
ちらりと横を見ると
ジョングクの顔が夕焼けに染まって
少し赤くなっていた。
「なんかね、
これは死んでからわかったことなんだけど」
「うん」
「空が綺麗だと思えることは
幸せなことだったんだなって」
「ほぉ」
「普通、死んだら人って幽霊にはならないで
すぐ天国か地獄に行くんだよ。
ちなみに俺は天国中の天国、楽園という名のヘブンに行くつもりなんだけど」
「余計な情報が多いね」
「死んだらもう空を見れなくなっちゃうわけ。
だって空の中にいるわけだから」
「そっか」
「だから、何でもないことだけど、
こうやって、あー綺麗だなーとかって思えるのは
幸せなことだったんだなぁって」
「いいこと言ってるね」
「でしょ、ちょっと狙った」
ふふっ、と笑ったジョングクの左手が
私の右手をきゅっと強く掴む。
「死んでからも空を見れて
お前と手を繋げる俺って最高に幸せ者じゃね？」
「やり残したことありすぎて成仏できてない可哀想な幽霊だと私は思う」
「そこは、私も幸せだよ はぁと♡って言うとこ」
「言わないよ」
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ににに(プロフ) - テヒョンの4‘OCLOCK聴きながら読んでてもう目がナイアガラの滝ですよ。もう素敵です、続き楽しみっす。 (2019年4月22日 20時) (
レス) id: adea3fa211 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - ああ、もう涙腺崩壊。笑笑 本当に24話で涙が止まらなくなってしまってとりあえすコメントさせていただいてます。こんなに素敵な作品に出会えて良かったです。泣 (2018年2月7日 0時) (レス) id: f686d690fe (このIDを非表示/違反報告)
m - Twitterなどでお話しかかれてますか！？書かれてるならぜひみたいです！お話しすごくだいすきです！ (2018年1月27日 11時) (レス) id: 229badfe20 (このIDを非表示/違反報告)
りんごり - 凄く面白くて一気に読んでしまいました笑更新楽しみにしてます。頑張って下さい(^ ^) (2018年1月4日 20時) (レス) id: 555706a24a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずちゃん - 更新頑張ってくださいね！？もう、メッチャ応援しますから！ (2017年12月31日 0時) (レス) id: 7514c48f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LILY
| 作成日時：2017年10月21日 22時
