ーJUNGKOOKー ページ28
テスト期間とやらは
実は、
どうやらとても大変なものらしい
あいにく俺は、
一度も真剣にテスト期間を迎えることもないまま
死んでしまったので
これがテスト期間というものなのか
と、Aを見ながら実感する。
「ジョングク」
Aが、教科書とにらめっこしながら(すごい怖い顔で)俺の名前を呼ぶ
「なんすか」
「散歩いってきて」
「え、散歩？」
ちらりと窓の外を見ると
もう外は薄暗く何も見えなくなっていたけど、
窓を打つ水滴の音でわかった。
今は、雨が降っている。
「……俺に風邪ひいてほしいわけ？」
「幽霊なんだから濡れないでしょ」
そう言いながらAは
シッシッと手で俺を外に追いやる。
「ジョングクがいると気が散るの、
どっか行ってて」
そう言って
キィーっと俺を睨むA。
「ほほーう
俺がいると気が散るんだ
さてはお前、俺に惚れてるな」
「うるさい黙って早く行け」
いつも以上に塩なAの態度に
思わず肩をすくめながら、部屋をあとにする。
なんだよ全く
死人にはもう少し優しくしろよな
俺は少し不貞腐れながらも
Aに言われた通り家を出た。
傘をさしていないのに
濡れないのはなんだか変な気分だった。
「寒……くはないけど、なんか寒いわ」
真っ暗な夜の道を
静かな雨音を聞きながら歩く。
行くあてもなく
ふらふらと歩いていた。
でも、
結局たどり着いてしまう。
俺の死んだ場所に。
すると、
その交差点に
黄色い傘をさした人が立っているのが見えた。
その人は、
そっと交差点の脇に、
菊の花束を置く。
……だから俺には菊より薔薇をくれよな。
少し近づいて、
黄色い傘の持ち主の顔を見ようとすると、
「ジョングギ」
聞き覚えのある声が、
雨の音に混じって聞こえた。
「ジョングギ、ごめんな」
その人は、俺のよく知っている人だった。
「……ジミニヒョン」
彼は泣きながら、じっと交差点を見つめていた。
……どうしてみんな
俺が死んだことで、自分を責めるのだろう
「ヒョン、」
「ごめんなジョングク、
俺、お前に言えてないことが１つあるんだ」
ヒョンのその言葉に、俺は口を閉じる。
「……俺ね、
Aちゃんのことが、好きだったんだよ」
雨音が、急に激しくなったような気がした。
それなのに、
ジミニヒョンの声はやけに鮮明に
俺の耳に届いた。
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ににに(プロフ) - テヒョンの4‘OCLOCK聴きながら読んでてもう目がナイアガラの滝ですよ。もう素敵です、続き楽しみっす。 (2019年4月22日 20時) (
レス) id: adea3fa211 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - ああ、もう涙腺崩壊。笑笑 本当に24話で涙が止まらなくなってしまってとりあえすコメントさせていただいてます。こんなに素敵な作品に出会えて良かったです。泣 (2018年2月7日 0時) (レス) id: f686d690fe (このIDを非表示/違反報告)
m - Twitterなどでお話しかかれてますか！？書かれてるならぜひみたいです！お話しすごくだいすきです！ (2018年1月27日 11時) (レス) id: 229badfe20 (このIDを非表示/違反報告)
りんごり - 凄く面白くて一気に読んでしまいました笑更新楽しみにしてます。頑張って下さい(^ ^) (2018年1月4日 20時) (レス) id: 555706a24a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずちゃん - 更新頑張ってくださいね！？もう、メッチャ応援しますから！ (2017年12月31日 0時) (レス) id: 7514c48f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LILY
| 作成日時：2017年10月21日 22時
