ーJINー ページ23
あの日は
よく晴れた、夏のはじまりを告げるような
素敵な日だった。
俺はいつも通り店を７時に開けて、
学校やら会社やらのために
お弁当を買いに来てくれる人たちに
笑顔を振りまいていた。
そして8時頃、
ジョングクが俺の店に来た。
「やっほーヒョン」
「……ジョングク！」
何ヶ月ぶりかの来店だった。
少し前までは毎日のように
この店に来ていたのに
あのことがあってから
パタリと店に来なくなっていたから、
その日、久しぶりにジョングクの笑顔を見て
すごく心が落ち着いたのを覚えている。
「ジニヒョン、いつものやつちょーだい」
「……久しぶりだな」
「そーですね
てか遅刻するんで早く作って」
相変わらず憎たらしくて、
でもそれさえも嬉しかった。
「ちょっと待ってて、
お前が来ると思ってなかったから
材料が」
「あーーーあと10分でHR始まるのにー」
「もうちょっと早く来いよな」
「目覚ましが壊れてて」
「嘘つけ、起きなかっただけだろ」
あの時、
ジョングクの特製弁当を作るのに
五分ほどかかってしまった。
もしあの時、
すんなり弁当を渡せていたら、
「はい、できた」
「あーあ、遅刻決定だ
ジニヒョンのせいで遅刻決定だ」
「だーかーらー
お前の弁当作るのに
時間がかかることくらいわかるだろ
俺に責任はないよ」
「先生に、
ジニヒョンに引き止められたってチクるから」
「ばーか」
笑いながらジョングクは俺の弁当を受け取って
店を出ようとした。
「なぁ、ジョングク」
その背中を呼び止めた、俺。
「お前今
楽しいか？」
その短い言葉で
俺の気持ちのすべては表れていた。
そしてそのことにジョングクも
きちんと気づいていたと思う。
弁当を持ちながら
くるりと俺の方を振り返って、
ジョングクは笑った。
「俺いまね、
超ーーー楽しいよ
毎日、会いたい人ができたんだ」
じゃ、また明日も買いに来るから！
そう言って走っていったジョングク。
それが、
俺が見た最後のジョングクだった。
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ににに(プロフ) - テヒョンの4‘OCLOCK聴きながら読んでてもう目がナイアガラの滝ですよ。もう素敵です、続き楽しみっす。 (2019年4月22日 20時) (
レス) id: adea3fa211 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - ああ、もう涙腺崩壊。笑笑 本当に24話で涙が止まらなくなってしまってとりあえすコメントさせていただいてます。こんなに素敵な作品に出会えて良かったです。泣 (2018年2月7日 0時) (レス) id: f686d690fe (このIDを非表示/違反報告)
m - Twitterなどでお話しかかれてますか！？書かれてるならぜひみたいです！お話しすごくだいすきです！ (2018年1月27日 11時) (レス) id: 229badfe20 (このIDを非表示/違反報告)
りんごり - 凄く面白くて一気に読んでしまいました笑更新楽しみにしてます。頑張って下さい(^ ^) (2018年1月4日 20時) (レス) id: 555706a24a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずちゃん - 更新頑張ってくださいね！？もう、メッチャ応援しますから！ (2017年12月31日 0時) (レス) id: 7514c48f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LILY
| 作成日時：2017年10月21日 22時
