YouTuber Short Stories 3

# たりない - さぐわ ページ40

「すぐ近くまで来たから会いに行っていい？」


そのメールのポップアップを何度も見つめ、「もちろん」とメールを送る。


本当に久しぶりに会える。
なかなか地元には帰ってこれずに思うように顔を合わす事が出来ない彼だからこうやって会える事が嬉しい。


チャイムの音。
ドアを開けるとサグワが勢いよく抱きついて来た。


「会いたかった」


リビングへ誘導するも、また抱きしめられ、離してくれない。


「ちょっと、一回離れよう」
「…Aは俺と会えなくて寂しくなかったの？寂しかったのは俺だけ？」
「私だって…寂しかったよ」
「じゃあ離れなくていいじゃん」
「流石に今日のサグワのスキンシップは異常だよ」
「寂しくてしょうがなかったから」


あまりにも甘えてくる彼の肩を私から引き剥がすと、ゆっくりと身を引いて、じっと目を見た。


「本当はさ、ハグじゃ足りないんだよ」
「足りないって…あれだけ引っ付いてても足りないの？」
「足りないよ、全然」


そっと私の前に手をついて上に覆いかぶさるように唇が触れた。
2度、3度と繰り返される。


「……これで足りた？」
「本当に足りると思ってる？」
「まだ足りないの？」
「あんまり俺なめない方がいいよ」


さっきより長いキスが何度も降ってくる。何かを求めるような、そんなキス。


「…サグワ…」
「そんな顔してると本当にやめられなくなる…いや、やめるつもりなんかもう無くなった。覚悟して」


ほんの少しでは足りない。
そんな気持ちが私にも伝染したのか、彼が求める何かに応じるように彼の背中に手を回した。









# ももたんさんリクエストありがとうございました！

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